山に遊びに行く方や取材に行くライターさん必見!「熊」の生態や対策を調べてみた

熊 アイキャッチ 人生の箸休め(コラム)

自分で設定しておいてなんですが…

アイキャッチ画像怖っ!

 

さて、僕の住む長野県は比較的熊の多い地域です。

仕事柄、取材先は山奥が多く、熊の注意報や警報が出ている場所も少なくありません。

高山村 雷滝

こんな看板も珍しくないです。

というか、どこに取材に行ってもほぼ毎回見かけます。

 

毎回、取材の度に熊の目撃情報を確認し、取材当日は熊の気配に怯え、とにかく毎回熊クマKUMA…

 

もううんざりだっ( ゚Д゚)!

 

熊に怯えず取材をしたい。ただそれだけが僕の望みです。

そんなある日、僕は中国の軍略家「孫子」の言葉を思い出しました。

「敵を知り、己を知れば百戦してあやうからず」と。

僕は熊のことをほとんど知りません。ついでに自分のことも良くわかりません。

つまり、僕は相手の戦闘力も自分の戦闘力も知らずに、ただただ相手の幻に恐怖していたのです。

熊について知れば、意外とあっさり倒せるかもしれません。

もしくは、意外と気さくないい奴で、親友になれるかもしれません。アメリカのYouTubeとかで見ますよね?熊や虎と仲良く戯れる人。

そう、争いが起こる原因は敵意ではありません。相手への無理解からです。(何言ってんだ)

というわけで、今回自分の熊対策も兼ねて、熊の生態や出会わない対策、そして熊の倒し方について調べてみました。熊が出る地域の取材ライターさんの参考になれば幸いです。

なお、僕は長野県民ですので本州に分布しているツキノワグマに絞って書いています。

 

ヒグマが出る地域の方は…

 

ええと…

 

まあがんばれ。

 

(n*´ω`*n)ファイティン!

日本にいる熊は本州の「ツキノワグマ」と北海道の「ヒグマ」の2種類

熊

日本にいる熊は本州の「ツキノワグマ」と北海道の「ヒグマ」の2種類

日本に生息している熊は以下の2種類です。

  • 本州に広く生息する「ツキノワグマ(ニホンツキノワグマ)」
  • 北海道に生息する「ヒグマ(エゾヒグマ)」

ちなみに上の画像は、フリー素材サイトから適当にそれっぽいのを引っ張ってきたやつなので、ツキノワグマとヒグマかどうかわかりません。よって詳しく調べてはいけません。

また熊に詳しい方からのツッコミも禁止です。(でも教えていただければ差し替えます)

長野県に住んでいる僕はヒグマと出会う可能性は0なので、主にツキノワグマについて調べました。

ツキノワグマは、胸元にある三日月のようなV字型の白い模様が特徴で、日本では本州に広く分布しています。東北と中部が多く、関東や近畿、中国地方に行くにしたがって生息域が少なくなり、四国ではごくわずか、九州では現在絶滅したと考えられています。

ツキノワグマは嗅覚と聴覚が発達しており、視力は普通。朝と夕方、日の入り後の黎明薄暮時と呼ばれる時間帯に行動が活発になり、昼間はあまり活動しません。

HIROさん
HIROさん

つまり昼の取材は安全!(たぶん)

食性は雑食で、主に植物の芽や花、果実、昆虫、どんぐり、ブドウが食糧です。基本的に狩りは得意ではなく、積極的に生き物を襲って食べることは稀で、たまたま生き物の死体を見つけたら食べるくらいだそうです。

3~4月に冬眠から目覚め、ひたすら食べてエネルギーを蓄えて11月から冬眠に入ります。

HIROさん
HIROさん

つまり冬の取材は安全!(たぶん)

ツキノワグマがときどき人間を襲うのは、人間と出会い頭に遭遇してびっくりしたときと、近くに子熊がいて子熊を守ろうと防衛行動で攻撃してくるケースがほとんどです。

つまり、ツキノワグマが人間を攻撃するのは、食べるためではなく自分の身と家族を守るための行動です。熊も人間が怖いんですね。

そう考えると、熊も可愛く見えてきます。

よく見るとかわいい顔してますよね。

熊

 

( ゚Д゚)(全っ然可愛くねえ…)

引っ張ってくる写真を間違えました。

世界には全部で8種類の熊がいる

熊

日本に生息するツキノワグマとヒグマを含め、世界には8種類の熊がいます。

  1. ツキノワグマ
  2. ヒグマ
  3. ジャイアントパンダ
  4. マレーグマ
  5. ナマケグマ
  6. メガネグマ
  7. アメリカグマ
  8. ホッキョクグマ

それぞれ解説すると長くなりますし、そもそも僕がツキノワグマ以外の熊に遭遇する可能性は限りなく0なので、それぞれの詳しい説明は省略します。

ちなみに、凶暴で人を襲うイメージのあるハイイログマ(グリズリー)はヒグマの亜種です。

日本や世界各地で事件になるケースが多いヒグマ、肉食獣最大サイズのホッキョクグマはなんとなく凶暴なイメージがありますが、「ナマケグマ」も熊の中では攻撃的な種で、過去数百人の死者を出しています。

名前からしてなんとなくのんびりでおとなしそうなイメージでしたが…

ナマケグマこええ…

ツキノワグマと筆者の戦闘力比較

ツキノワグマと筆者の戦闘力比較

冒頭で「敵を知り己を知れば百戦してあやうからず」と言いました。つまり熊を知るだけではダメです。自分の戦闘力も知らなくてはいけません。

戦力を正確に分析し、自分の長所を活かすことで勝ち筋が見えてくるかもしれません。というわけで、ツキノワグマと僕の戦闘力を分析し、比較してみました。

ステータス ツキノワグマ TAKAHIRO
身長 100~160cm
※直立時
170cm
※直立時
体重 50~130kg
※個体差あり
55~58kg
※季節差あり
握力 100kg前後
※諸説あり
30kg以下
※30kg以上は絶対ない
視覚 人間並みでやや弱い
※夜目は人間以上に利く
0.07以下
※昼も夜も絶望的
嗅覚 人間の数千倍
※犬並み
鼻炎で年中鼻詰まり
聴力 非常に優れている 片耳難聴で
非常に劣っている
走力 100m8~9秒前後 100m走るのきつい
平均寿命 25~30年 79年
※個体差あり
武器 爪・牙 毒舌

 

( ゚Д゚)(平均寿命は勝ってる!)

熊と出会わない対策

熊と僕の戦闘力を比較した結果、若干勝ち目が薄そうです。

というわけで熊対策の基本、「そもそも熊に出会わない」に考え方を変えようと思います。

熊を避ける一般的な方法をいろいろ調べてみました。

鈴・ホイッスル・ラジオなど音が出るものを携帯する

鈴

もっとも有効な遭遇回避方法は、音の出るものを携帯して常に「人の位置を知らせること」です。基本的にツキノワグマは積極的に人間を襲いませんし、むしろ人の気配を察知したら向こうから逃げてくれます。

山に入るときは、何でもいいので音の出るものを携帯しましょう。スマホの通信容量に余裕があれば、音楽を流しっぱなしにして歩くのもよさそうです。

熊避けの鈴

僕も熊避けの鈴を買いました。

このメーカーの鈴は安いし、使わないときはマグネットで音が鳴らないようにできるので便利です。

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ただ、鈴は音が小さく熊に音が届かない可能性があり、ラジオや音楽は逆に自分が周囲の物音、つまり熊やら蜂やらの危険を察知できない可能性があるそうです。

なんだかんだでホイッスルが一番よさそうですね。価格も安いので、1個準備しておきましょう。

もちろん鈴とラジオを併用したってOKです。

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声を出しながら歩く

叫ぶ

鈴もラジオもホイッスルも準備できなかったけど急遽山に入ることになった、という方は、羞恥心を捨てて大きな声を出しながら歩いていきましょう。

遠くの熊に届くよう、大きな声であればあるほどベターです。

ただ、あまりにも大きな叫び声を上げながら歩くと、熊だけじゃなく人間も逃げる可能性があります。

最悪通報されるかもしれません。

適度に調整するか、歌いながら歩くのがおすすめ。まあ、歌でも十分怪しいですが。

お金もかからないお手軽な方法ですが、羞恥心という社会生活において大事なものをいったん捨てる必要があります。

山から下りたら、人間としての尊厳を取り戻しましょう。

熊避けの鐘を鳴らす

熊追いの鐘

自治体によっては熊避けの鐘を設置している所もあります。

この鐘が設置してある地域は、それなりに危険度が高い証拠です。お金も手間もかからない対策ですので、見かけたら鳴らしておきましょう。

もし熊と遭遇してしまったら

山の中でもし熊と出会ってしまったらどうするか。さまざまな方法を調べてみました。

もちろん経験とか体験談でもなんでもなく、調べただけなのでどれが正しいとか効果は保証できません。

死んだふりをする

死んだふり

論外。

昔、「熊は死んだ生き物を食べない」と考えられていたため、死んだふりが長年効果的とされていましたが、熊は普通に死肉食べます。(むしろ積極的に食べる)

おそらく死んだふりしても

熊「念のためとどめを刺しとこっと♪」

熊「ちょっと齧ってみようっと♪」

と思う可能性も0ではありません。俺が熊ならそうする。

でも、出会った人間がいきなりバタンと倒れたらちょっと怖いので近づかないかも…(笑)

いずれにしても死んだふりは効果がないというか、攻撃される可能性が高いです。

ただし、一部有効とされる根拠もあります。というのも、熊は獲物の顔にかみついて窒息させる習性があるため、立ったまま襲われるのは危険だそうです。

そのため、腹ばいになって両手で首と頭を守り、リュックで背中を守って命に係わる部分を保護して死んだふり態勢を取れば、致命傷を避けられる可能性があるそうです。

ツキノワグマは食べるために襲ってくるわけではないので、多くの場合1~2回攻撃すれば逃げていきます。

いきなり背中向けて走り出して熊を刺激するくらいなら、その場にうずくまったほうが助かる可能性は高いかもしれませんね。

素早く逃げ出す

素早く逃げ出す

論外。

背中見せて逃げ出すとか、死んだふり以下の最悪の選択肢です。

急な行動を取ると熊が興奮しますし、背中見せて逃げると習性というか本能で追いかけてきます。

ワンちゃんだって背中見せて逃げる人間追いかけてくるんですから、熊も同様でしょう。

しかも熊の走力は100m8秒前後、オリンピック選手より速いです。だいたい追いつかれて後ろから攻撃されます。

ゆっくりと遠ざかる

後ずさり

逃げる選択肢で一番良いのは、熊の目を見ながらゆっくりと後ずさりで遠ざかることです。

特に、熊とそれなりに距離があるときは非常に有効。熊を興奮させないという意味で、対策としてはこれが一番かもしれません。

また、熊はあまり目が良くない(人間と同じかそれ以下)ので、ある程度距離があればゆっくり動く人間を認識できないそうです。

己の肉体を信じて戦う

マッチョ

( ゚Д゚)「カカッテコイヤオラアア!」

どんな対策をしようが、熊がその気になれば襲ってきます。万が一そうなったとき、黙ってやられるわけにもいかないので、一か八か抵抗してみるしかないでしょう。

抵抗した結果助かった人もいるので、無抵抗よりはましかもしれません。

ですがいきなり試合開始早々近距離のインファイトに持ち込むのはNG。ダンプカーと軽トラックが正面衝突するようなものです。

まずは両手を広げて体を大きく見せ、ドスの効いた大声を出して追い払う。

それでも襲ってくるようなら、もう残された手段は熊の鼻を狙ってひたすらキックするか正拳突きするか。

好きな方を選んで玉砕してください。

なお、当たり前ですが戦うのは本当に最終的な手段です。無抵抗で殺されるくらいなら戦って死のう、みたいな話です。

熊用撃退スプレーで倒す

スプレー

素手で熊に勝つ自信がない方は、強力なカプサイシン成分を5mほど噴射できる熊専用の撃退スプレーを使うのもいいでしょう。嗅覚の優れた熊はたまったもんじゃないと思います。

ただ、熊撃退スプレーは使い方が難しく、風下で使うと自分が被害を受けます。熊が悶絶するレベルの成分が入っているので、人間も吸い込んだらたまったもんじゃないです。

5mという距離も厳しい。そんな近距離で冷静にスプレーを準備して噴射するのはまず無理でしょう。

普段持ち歩く際も注意が必要です。過去に何度か、電車内で熊スプレーを誤噴射してテロ騒ぎになった事件があります。

そしてなにより高い。15,000円くらいします。まあ、熊に引っかかれたら治療費は15,000円どころじゃないと思うので、それを考えたら安いのかもしれませんが…

保険でもなんでもそうですが、「いざというときの備え」にお金出すのって躊躇しますよね。ただ、使わなければ減らないので、お守り代わりに持っておくのも良いでしょう。

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なお、価格の安いやつもありますが、そちらは撃退ではなく忌避用(つまりあらかじめ撒いて熊との遭遇を避けるやつ)なのでご注意を。

持っているものを使って威嚇・攻撃する

ストック

ストックや傘など、武器になりそうなものを振り上げて大きく見せるのも有効とのことです。傘は広げてもいいかもしれません。

ニュースで、熊と遭遇した方がストックを振り上げて怒鳴ったら逃げて行った映像を見ました。

ただ、やはり熊の性格というか状況次第だと思います。

(=゚ω゚)ノ「どうだ!怖いだろ!諦めて降参しな!」

熊『く…なんて恐ろしいやつだ!』

(‘Д’)「そうだ!恐ろしかろう!さあ、逃げるんだ!」

熊『遊んでいる場合じゃない…本気で攻撃しないとやられる!』

( ゚Д゚)「うえっ!?…ちょ…違う、逃げてくれればいいんだ余計なことをするな!」

熊『本気でいくぜっ!!』

( ゚Д゚)「ぎゃああああああああ!」

みたいなどこかのアニメで見たような展開も考えられるので、これもあくまでも最終手段ですね。

チョークスリーパーで脳の血流を止める

チョークスリーパー

とあるサイトに書いてありました。

熊の初撃を交わして懐に入り、熊の爪や牙が届かない背中に回り込んでチョークスリーパーを決め、頸動脈の血流を断って意識を落とす方法です。

 

 

以上。

熊がその気になれば多くの対策は意味がないとかなんとか…

ハイキング

じゃあどうしろっていうんだよっ( ゚Д゚)!

と言いたくなりますが、実際野生の生き物に対して確実な対策なんてありません。(記事全否定)

熊による被害を避けるなら、あらゆる対策マニュアルで言っている通り「出会わない」のが一番。

それでも熊と出会ってしまったら、その時点であとはどの選択肢を選んでも「殴られる」か「逃げてくれるか」の運ゲーです。

結局「できるだけ会わない対策をして気を付けながら歩き、もし出会ってしまったら神に祈りながら熊の鼻を目がけて右ストレートをぶち込む」しかないのかな、と。

そもそも山は熊のテリトリーです。その中にずかずか入っていってるのはこちらです。

「熊なんてそうそう出会わない」と油断するのではなく、「本日、熊様のお宅にお邪魔しております」くらいの謙虚さを持って山の中に入りましょう。

そんな熊に怯えながら取材した、長野県にある滝の記事もぜひ見てください。熊ネタ満載です。

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