長野県長野市 松代にある恵明寺(えみょうじ)は真田家ゆかりの寺で、「あんず姫」と称された豊姫の墓所や、松代藩の画家が描いた龍の絵や黄金の観音像があり、一度は訪れておきたいお寺です。
参拝にそれほど時間はかからないので、松代に来たらぜひ立ち寄ってみてください。
今回、「恵明寺に行ってみたい」「行く前にどんなところか知りたい」という方のために、恵明寺へ取材に行ってきました。そのときの様子を紹介します。
なお、紹介しているサイトや場所によっては恵明寺を「恵明禅寺」と表記しています。ただ、松代は「恵明寺」と書いているので、この記事でも「恵明寺」で統一します。
お願いですから、表記は統一してください…ただでさえ日本のお寺とか地名は似たような名前が多くて複雑なのに…(笑)
恵明寺の基本情報・アクセス
住所 | 〒381-1232 長野県長野市松代町西条482 |
電話番号 | 026ー278ー4456 |
営業時間 | 9:00~16:00 |
定休日 | 年末年始 |
入場料 | 無料 |
所要時間 | 約15分 |
恵明寺は、有名な松代象山地下壕(松代大本営地下壕)の横にあります。道沿いにさりげなくあるので、見落とさないよう注意。
開いている時間も長く、年末年始以外休みもないので、フラッと気軽に立ち寄れます。
所要参拝時間は15分、ゆっくり楽しんでも20分くらいです。
ちなみに、グーグルマップは恵明禅寺と表記しています。頼むから統一…(以下略)
恵明寺とは真田幸道の正室「豊姫」の霊屋があるお寺
恵明寺は、1677年(延宝5年)に信濃松代藩第3代藩主「真田幸道」が開基したお寺です。境内の本堂・鐘楼・山門は、国の登録有形文化財に登録されています。
恵明寺は1825年(文政8年)に火事に遭い山門以外焼失してしまいましたが、再建され今に至っているそうです。
現在、恵明寺の境内には、真田幸道の正室「豊姫」の霊屋(たまや)があります。
※霊屋…死者の魂を祀る場所
(霊屋…「れいや」か「れいおく」だと思ってました…)
豊姫は15歳で幸道に嫁ぐ際、故郷の品であるあんず(杏子)の種を持ってきたそうです。
江戸時代、あんずの種「杏仁」は咳止めの漢方薬として重宝されていました。
そこで豊姫が持ってきたあんずの種を栽培し、産業としたことから善光寺平にはあんずの樹が増え、やがて松代はあんずの一大名産地になったという説もあります。
以上の経緯から、豊姫は「あんず姫」と呼ばれていたそうです。
また、本堂内には見事な龍の彫刻と龍の絵があるので必ず見ていきましょう。
表門の立て札に「ぜひご覧ください」と書いてあるところを見ると、龍の絵は住職さんイチオシっぽいです。
恵明寺を楽しむためのポイント・注意事項
- 真田家ゆかりの寺を6か所回り、記念品をゲットしよう!
恵明寺は手軽に参拝できるお寺なので、特に注意事項はありません。
ただ、どうせ行くなら松代が行っている「真田家ゆかりの寺スタンプラリー」に参加してみてはいかがでしょうか。
真田家ゆかりの寺スタンプラリーは、その名の通り松代にある真田家ゆかりの6つのお寺を巡るスタンプラリーです。
松代観光協会で寺巡りスタンプラリー専用てぬぐい(300円)を購入し、6つの寺のスタンプを押すと記念品がもらえます。
目的をもって町巡りをするとより一層楽しめると思いますし、てぬぐいと記念品はきっと旅の思い出になる…はず。
ただ、こういう思い出の品って帰宅後に正直置き場所に困ることもしばしば…げふんげふん
ちなみに僕は参加していないので、記念品が何かは知りません。
そこまでちゃんと取材してこいよ!
と、思った方も多いと思いますが、気が乗らな…
諸事情で参加できませんでした。
お仕事として依頼してくれたら死ぬ気で回りますので、お仕事ください。
寺巡り専用てぬぐいを売っている松代観光協会は、松代城跡近くにあります。
松代城付近は松代観光の拠点になる場所ですし、観光協会ではレンタルサイクルも利用可能です。
松代は狭い道が多く、しかもそういった場所に限って観光名所が密集しています。
狭い道で運転しにくく、駐車場探しも難航する車よりも自転車の方が松代を快適に巡れるので、天気のいい日はぜひ自転車で名所を巡ってみてください。
恵明寺を散策
真田邸や松代藩文武学校から、松代大本営地下壕に向かってまっすぐ歩いて行くと、右側に恵明寺が見えてきます。
目印は、真田家の有名な家紋「六文銭」が掲げられた山門です。
この六文銭は、死後に三途の川の渡し賃として必要だと考えられてきました。
そう聞くと一見縁起の悪い家紋ですが、「武士である以上、いつでも死ぬ覚悟ができている」という苛烈な決意を表した、いかにも武士らしい家紋だと思います。
境内に入ると、すぐに本堂が見えてきます。
美しい木々の中に佇む本堂と、黄金色の観世音菩薩像の対比が美しいです。
( ゚Д゚)(観世音菩薩様の存在感よ!)
黄金の観世音菩薩像のインパクトが強すぎて、横にいる布袋様が目に入りませんでした。
写真見返して、初めて気づいたよ…。
観世音菩薩は人々の苦悩を聞き、あらゆる悩みから救済する菩薩で、いわゆる「観音様」です。悩みを是非相談してみてください。
解決してくれるかどうかは信心次第だと思います。
本堂は1825年に火事に遭い消失したため、現在の本堂は再建したものだそうですが、しっかりと歴史を感じます。
言われなきゃ再建だなんてわかりません。
本堂内には、釈迦三尊・木庵禅師像・布袋和尚像・稲荷大明神(吒枳尼天)の像があります。
なんというか…あくまでも個人的な感想ですが、黄金の観音様もそうだし、本堂内にたくさんの仏様がいるあたり…
賑やかなお寺ですよね。
※褒めてます
スマホでどんな仏様か調べながら一つ一つ像を見ていくと楽しいですよ。
松代の真田家ゆかりの寺スタンプラリーに参加している方は、忘れずてぬぐいにスタンプを押していきましょう。
本堂の天井には、荘厳な龍の絵が描かれています。
住職さんイチオシらしいので、これも忘れずにチェックしておきたいところ。
絵の作者は、松代藩御用絵師・大島芳暁斎(おおしまほうぎょうさい)。
なんでも鑑定団とかで出てきそうな名前ですが、家に帰ったらきっと思い出せません。
絵の近くにある龍の彫り物も見事。
本堂の横には、松代にあんずを広めたあんず姫、「豊姫」の霊屋があります。
豊姫を知ってからあんずを見たり食べたりすると、また違った楽しみ方ができそうですね。
ただ、あんずってなかなか食べる機会ないと思いませんか?
売ってるところもあまり見ませんし、売っていたとしても買おうと思った記憶がありません。
※普通に売っていたらごめんなさい。僕の目には入っていないようです
銘菓あんず姫紹介
手軽にあんずを楽しみたい方は、長野県のお菓子屋さんが作っているあんずのお菓子、その名もズバリ「あんず姫」がおすすめです。
今回、たまたま取材中に銘菓あんず姫を知りました。味が気になったので、長野市のあんず姫を製造しているお店に直接行き購入してきました。
ふわっとした軽いお菓子で、パリパリッとした食感のモナカの中に、甘いあんずゼリーが入っています。
口に入れると、ほのかに梅を感じさせる爽やかなあんずの風味が広がります。
次の瞬間にしっかりとした甘さを感じますが、ぐっと口の中に広がったと思ったら、すぐにすっと消えていく上品な甘さです。
あんずの酸味はいい意味でほとんど感じられないので、大人はもちろん、子どもにもおすすめ。家族全員で楽しめるお菓子だと思います。
食べる前に想像していた味よりもはるかにおいしい。(←大変失礼な表現)
買いに行くのがダルい人や、ちょっと遠くて買いに行けない方は下記のリンクから通販で購入できます。楽天市場に出店している公式ショップのリンクですので、安心してお買い求めください。
価格:810円~ |
珍しいあんずのお菓子を食べながら、豊姫の生涯や真田家の歴史に思いを馳せるのも大人の楽しみ方ではないかと。
忘れずに鐘楼を見ていこう!
本堂から山門を見振り返ると、山門の近くに国の登録有形文化財である鐘楼が見え…
( ゚Д゚)(写真が悪いな…)
照明と木に邪魔されてしまっていますが、上記写真の中央に鐘楼があります。こちらも貴重な文化財ですので、帰りに必ず見ていってください。
今回、長野県松代にある恵明寺を紹介しました。行く前に真田家の家系図や松代藩の歴史を調べてから訪れると、より一層楽しめると思います。
真田家の家系図、めちゃくちゃ複雑だけどな( ゚Д゚)!
この辺りには観光スポットが数多く点在しています。松代の観光スポットを巡るなら、以下の記事もぜひ読んでみてください。