今回紹介するのは、長野県茅野市にある4つの「フジモリ茶室」です。
茅野市…正直僕の住んでいる長野市からちょっと遠いのでできる限り取材は避けたいのですが…
ピラルクがいてペットも自由に歩ける蓼科アミューズメント水族館や、国宝土偶を間近で見られる尖石縄文考古館やら、僕をドキドキさせる施設が多い。
そんな茅野市の情報をネットで調べていたところ、(行きたくないという割には調べる)、「フジモリ茶室」とかいう僕をドキドキさせる意味不明な建築物(失礼)を見つけてしまいました。

フジモリ茶室は全部で4つあるのですが、空に浮いていたり、危険な高さの木の上にあったり、ロボットの発信基地みたいな仕掛けがあったり…
こんなのが4つもあるなんて聞いたら絶対見たいじゃん!
というわけで実際にフジモリ茶室へ行ってきましたので、写真や動画とともに詳しく解説します。

何も知らずに見に行っても楽しいですが、藤森照信氏や各茶室について知ってから行くともっと楽しめます。
フジモリ茶室は藤森照信氏が手掛けた4つの奇想天外な建築物!

フジモリ茶室とは、世界的にも知られる建築家・藤森照信(ふじもりてるのぶ)氏が手掛けたユニークかつ独創的な4つの茶室のことです。
- 空飛ぶ泥舟(そらとぶどろぶね)
- 低過庵(ひくすぎあん)
- 高過庵(たかすぎあん)
- 五庵(ごあん)
中でも、空飛ぶ泥舟は「フジモリ茶室」と検索すると8割この写真が出てきます。
ただ、詳しい人は「高過庵こそフジモリ茶室!」みたいなイメージがあるそうですよ。
4つどれも木や土といった自然のものをふんだんに使用していて、「茶室」という静かで風流なイメージの施設なのに見た目も設置場所もあまりにもアヴァンギャルド。

常識や固定観念にとらわれない自由…いや自由すぎる設計の茶室です。
藤森照信氏とは?
藤森照信氏は、1946年長野県諏訪郡宮川村(現:茅野市)生まれの建築家です。
もともと近代日本建築史の研究家でしたが、なんと45歳のときにフジモリ茶室の近くにある「神長官守矢史料館」を手掛けて設計士・建築家としてデビューしました。
僕は存じ上げませんでしたが、建築業界に携わる人で知らない人はいないレベルの超有名な方です。

代表的な作品というか建物では、「多治見市モザイクタイルミュージアム」や、ラ コリーナ近江八幡の「草屋根」、そして今回紹介する「フジモリ茶室」などがあります。
ネットで「藤森照信」と検索して手掛けた建物を見ると、どれもフジモリ茶室を見た後なら「あ~…」と納得する超個性的な建物ばかりでした。
写真集もあるので、興味のある方はぜひ。
ちなみに余談ですが、諏訪市や茅野市には「藤森」姓が本当に多いです。
全国に約4万人いる藤森さんの、約4割(16,000人)がここ諏訪にいるというデータもあります。

オリエンタルラジオの藤森慎吾さんも諏訪出身ですね。
フジモリ茶室の中には入れるの?

フジモリ茶室は実際に茶室として使えるようになっていますが、基本的に中には入れません。
まあ…基本空に浮かんでたりトムソーヤの家みたいに高い木の上にあったりするので、入っていいよと言われても僕は遠慮しますけど。
なので、見に行っても無理に入ろうとしたり登ろうと試みるのは止めてください。
ただし、イベントに申し込めば特別に入れる!

引用:ちの旅公式HP
「基本的に立ち入り禁止」と書いたのは、例外でフジモリ茶室に入る方法があるからです。
「ちの旅」を運営する一般社団法人 ちの観光まちづくり推進機構が提供している「フジモリ茶室プレミアムガイド」に申し込めばフジモリ茶室に入れます。
1人11,000円とやや高額ですが、普段絶対入ることができないフジモリ茶室に入ってみたい方はぜひ。

開催日時が決まっているので、次回開催予定カレンダーをチェックしてから申し込んでください。
フジモリ茶室の基本情報(入館料・営業時間・定休日など)
フジモリ茶室は建築物なので24時間365日いつでも見られます。
まあ、夜行く人はいないと思いますが念のため。
ただ、近くにある神長官守矢史料館が月曜日休みなので、月曜以外に来るとフジモリ茶室と神長官守矢史料館がまとめて回れます。

フジモリ茶室を見て回るのにかかる時間は、4つ全部回ってもたぶん30分~45分もあれば十分です。
なお、フジモリ茶室や敷地内は藤森照信氏の所有になっていますが、敷地内に入って写真や動画を撮るのは問題ないそうです。
ただし、当然ながら破損させたり無理やり中に入ろうとするのは犯罪です。

ペットも特に禁止されてはいないようですが、愛犬のトイレ問題やマナーには十分注意してください。
フジモリ茶室へのアクセス・ルート
フジモリ茶室があるのは、長野県茅野市の「神長官守矢史料館」周辺です。

県道16号に出れば道沿いに神長官守矢史料館が見えてくるので、車で来た方は神長官守矢史料館の駐車場に停めてください。
フジモリ茶室を見に行くときは、この神長官守矢史料館の駐車場を利用してもいいそうです。

きちんと史料館のスタッフさんに確認しました。
フジモリ茶室はこの神長官守矢史料館の裏側に3つ、少し離れた場所に1つあります。
神長官守矢史料館から歩いて5分もかかりません。
各茶室の近くまで車で行くことも可能ですが…
車は停めにくいし、道は狭いしわかりにくいしであまりおすすめできません。

なお、神長官守矢史料館の建物も藤森照信氏によるもの(しかも一番最初の作品!)なので、フジモリ茶室を見に行ったらこちらも必ず見てください。

なんとなく山奥のイメージでしたが、実は諏訪ICから車で5~10分程度です。
神長官守矢史料館を見に行ったらたぶん中にも入ると思うのですが…なかなか衝撃的な展示内容なので覚悟して入ってください。
神長官守矢史料館については、以下の記事で詳しく紹介しています。

フジモリ茶室を撮影する際は背景に注意

フジモリ茶室は、4つのうち3つは墓地の近く、残る1つの五庵は住宅地のど真ん中です。
なので、写真や動画を撮影する際は角度やアングルに注意してください。

モザイク処理を施しています
角度によってはこんな感じで墓地や住宅が映ってしまいます。
住宅については仕方がないかなあ…と思うのですが、車のナンバーや住んでいる方たちの顔が写らないよう注意&配慮してください。

あと、いないと思いますが…夜行くのもやめておきましょう。最悪職務質問される可能性があります。
フジモリ茶室を巡る
それではフジモリ茶室を紹介していきますね。
空飛ぶ泥舟(そらとぶどろぶね)

おそらく一番最初に目にするのが、フジモリ茶室のアイドル(?)2010年製作の「空飛ぶ泥舟」です。
「フジモリ茶室」で画像検索すると6~7割これが出てきます。

左右の柱から4本のワイヤーで吊り下げられているだけという、「建築物」というカテゴリーで合っているのか判断に迷うデザインです。

その高さは約3.5mと、思ったほど高くはありません。

…が、ワイヤーの細さやこの姿を見たあとに中に入れと言われたらかなり不安を感じる高さです。
※当然ながら4つの作品すべてで強度計算はされていて安全とのこと

プレミアムガイドに申し込めば、横にある穴にはしごをかけて中に入れます。

空飛ぶ泥舟の下から見てもこれだけの眺望なので、空飛ぶ泥舟の中から景色を見たらきっともっと素敵な景色が見られると思います。
ぜひ見てみたいものですが…
プレミアムガイド代11,000円は厳しい…

このブログのアクセスが100倍くらいになったら広告費で費用捻出できるかも。
最後は全体の動画をどうぞ。
低過庵(ひくすぎあん)

空飛ぶ泥舟から歩くこと15秒、黒いピラミッドのような四角錐の建物が「低過庵」です。
こちらは2017年に製作されました。

その名の通り非常に低い茶室ですが、空飛ぶ泥舟側から来ると「ちょっと低い庵」程度で「低すぎ」って感じはしません。

名前負け…?

ところが反対側から見ると名前の通り半分地面に埋まっており、名前の通り「低すぎ庵」となります。

面白い質感の表面だなあ…と思ってよく見ると、低過庵の表面はバーナーで焼き焦がしたみたいになっていました。
この低過庵、フジモリ茶室の中でも空飛ぶ泥舟や高過庵に比べて地味というかインパクトが弱いというか…そんな気がしますよね。
ところがこの低過庵には、とんでもない秘密というか仕掛けが隠されています。

屋根から横に突き出た不自然な柱。
実はこの低過庵、屋根がスライドして庵の中から空が見えるようになっています。
( ゚Д゚)「サンダーバード号発進じゃん!」
と思いましたが、年がばれるので書かないことにします。
低く、狭く、暗い庵の中(たぶんですけど)に入った直後、屋根が開いて空や光が差し込む…
時期や天気によっては最高のシチュエーションでお茶が楽しめそうですね。
ええ、まあこれも11,000円払わないと体験できないんですけど。
ちなみに、ドア側も150cm位しかないので入るときはかなり腰を落とす必要があります。
高過庵(たかすぎあん)

人によっては「フジモリ茶室と言えばこれ!」と絶賛するのがこの「高過庵」です。
2004年に製作された作品で、フジモリ茶室の中では最初期の作品ということになります。

この日は補修工事の途中だったようで、残念ながら足場が組まれていました。

ちょっと写真的に残念ですが、高過庵の素晴らしさは伝わると思いますし、これはこれでリアリティもオリジナリティのある写真になって良い。

高過庵は地上約6mの高さにあり、中に入るためにはほぼ垂直のはしごを使って自力で登らないといけません。
高所恐怖症の人は、はしご見ただけで拒否反応すごくて登れないと思います。
ええ、まあ結局11,000円払わないと入れないんですけどね!(しつこい)
…ただ…
スリル満点の空飛ぶ泥舟や高過庵に登って、低過庵のスライド屋根を見られるならむしろ11,000円は安い気がしてきました。

なお、この高過庵は2010年にアメリカの『TIME誌』によって「世界でもっとも危険な建物トップ10」にランクインしています。

そりゃそうでしょうね!
そのため、世界的にも有名です。
今は足場があるからなんとなく登れそうな気になりますが、普段はリアルトムソーヤです。

イメージ図
他のサイトではしごが掛けられている画像を見ましたが、角度はこんな感じです。
高過庵はもうちょっと高いですし、どう考えても年配の人には厳しい…というかけっこうな割合の人が登れないと思われます。
僕も高所恐怖症なので多分無理です。
なお、先述しましたが空飛ぶ泥舟・低過庵・高過庵はほぼ同じ場所にあります。
3つの茶室の位置関係が分かるよう、通しで動画を撮ってきました。
次に紹介する五庵はちょっと離れています。
五庵(ごあん)

フジモリ茶室最後の1つ五庵は、3つのフジモリ茶室がある場所から降りてきて神長官守矢史料館を通り過ぎ、さらにちょっと大きな道路(県道16号)を渡った先です。
この道をまっすぐ数分進むと、左側に見えてきます。

住宅街のど真ん中に不思議な建物が立っているのが見えてきます。
これが五庵です。

五庵は元々東京2020オリンピック・パラリンピックに合わせて新国立競技場周辺で開催された「パビリオン・トウキョウ2021」というイベントで建てられたものです。

その廃材を藤森照信氏が引き取り、2022年にこの場所に移築というか再建築しました。

さきほどの3つに比べて地味…に見えるかもしれませんが、足元をよく見て下さい。

石というか岩の上に木を乗せて、それで庵を支えています。

ちょっと待って!どうやってバランスとっているの!?建築基準法は大丈夫なの!?
と、思わずツッコんでしまいました。
土台に関して言えば4つの茶室の中で一番イカれて…じゃなくてぶっ飛んでます。

窓になっている部分にはなぜか銅板?が貼られていました。
フジモリ茶室に関してはなぜこういう形なのか、といった情報がほとんどないんですよね…

なので、理屈ではなく魂で感じて(?)ください。

もちろん五庵も11,000円払えば中に入れます。
高過庵に比べると高さは大したことありませんが…さっきの土台見ちゃうと別の意味で怖い。
実は高過庵や空飛ぶ泥舟、そしてこの五庵も風が吹くと揺れるそうです。
もちろんそのスリルを楽しむというか、揺れるのすら計算されて建てられているのですが。
動画で見るとより土台の恐ろしさが伝わります。
フジモリ茶室、特に高過庵、空飛ぶ泥舟、五庵の3つは建築基準法どうなってるんですかね…。
おそらく建築物ではなくアート作品としての位置づけになってるんじゃないかなー、と推測します。
まあ、プロの建築家が建てたんだから法的な問題はないはずですし、過去問題になったという話もありません。

あくまで素人が単純に疑問に思っただけです。
まとめ:不思議なフジモリ茶室は、ぜひ一度その目で実物を見てもらいたい!

今回は、茅野市にあるフジモリ茶室を紹介しました。
別にめちゃくちゃ面白いとか、楽しいという訳ではないんですが、四方八方から眺めたくなる不思議な建物です。
ぜひ天気のいい日に実物を見てほしいと思いました。
茅野市には楽しいスポットがほかにもたくさんあります。以下の記事も参考にぜひフジモリ茶室と一緒に回ってみて下さい。
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