今回紹介するのは、長野県小布施町にあるお寺「岩松院」です。
まず、小布施と言えば「栗」と「葛飾北斎」。

モンブラン朱雀
小布施には竹風堂や小布施堂などの栗菓子の名店が軒を連ね、また葛飾北斎専門美術館「北斎館」があるなど、栗と北斎の2つで観光が成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
※明らかに過言、というか失言。ほかにも素晴らしい所はたくさんあるよ!
岩松院では、そんな小布施町を語る上で欠かせない葛飾北斎の「晩年の傑作」と言われている天井絵「八方睨み鳳凰図」を見ることができます。
他にも、福島正則の霊廟や小林一茶の有名な句の舞台となった池など、壮大な歴史を感じられるお寺です。
小布施の中心地からは少し離れたところにあり、ゆっくり散策するのにも最適だと思います。
そんな岩松院を今回取材してきましたので紹介します。
岩松院と言えば葛飾北斎の八方睨み鳳凰図

曹洞宗梅洞山 岩松院は、文明4年(1472年)に開山されたお寺です。
岩松院と言えばやはり葛飾北斎の晩年の作品「八方睨み鳳凰図」が有名ですが、そのほかにも戦国武将福島正則公の菩提寺や、小林一茶ゆかりのお寺としても知られています。

そのほか、なぜか敷地内にタルトのお店があったりと、ほかのお寺とは違った面白いお寺です。
葛飾北斎の八方睨み鳳凰図とは?

北斎館の八方睨み鳳凰図
おそらく、岩松院へ観光に行く人の80%くらいが葛飾北斎の八方睨み鳳凰図目当てだと思います。

| 葛飾北斎の八方睨み鳳凰図を見に来た | 80% |
| KUTEN。のタルトを食べに来た | 15% |
| 福島正則の霊廟を見に来た | 3% |
| 小林一茶の句の舞台「蛙合戦の池」を見に来た | 2% |
| このブログを見て興味が湧いたから来た | 0% |
※筆者の妄想データなので間違っていても責任取りません
なので、八方睨み鳳凰図について知っておかないと岩松院は楽しめません。
八方睨み鳳凰図とは、先ほどお話した通り葛飾北斎が88~89歳頃に描いた大傑作のひとつと言われている畳21枚分の巨大な天井絵です。
「八方睨み」の名の通り、どの角度から見ても鳳凰と目が合うように描かれています。
完成後約180年もの時間が経っていますが、一度も塗り替えられることなく、つまり葛飾北斎が描いた状態がそのまま残っている大変貴重な作品です。

葛飾北斎像
なにがすごいって、90歳近いおじいちゃんがこの巨大な作品を描いたこと。
この絵を描いた1年後に北斎はこの世を去っていますが、つまり死ぬ間際に描いた作品なのに衰えを感じさせない、それどころか円熟味が頂点に達したころの作品といっていいと思います。
もし、八方睨み鳳凰図が気に入ったら通販で手ぬぐいとかスマホケースとかも売っているので…ぜひ買ってみてください。

もちろん僕は要りませんが。どこで使うのよこんなの。
岩松院の基本情報(入館料・営業時間・定休日・駐車場など)
岩松院は、小布施町のはずれにあります。
有名な場所なので小布施のあちこちにも案内看板が出ていますが、ナビを使って行くのが確実。
休務日(定休日)は「法要のある日」、つまり不定休なので行く前に公式HPで確認しておいたほうが良いと思います。
さらっと見てみましたが、基本的に大晦日や元旦含む365日参拝可能で、1~2か月に1回程度法要の休みがあるかな、くらいでした。
本堂内部は有料ですが、敷地内の参拝は無料です。
所要時間は、本堂含めてすべての見どころをさらっと回って1時間程度。
ただ、本堂内で30分に1回行われる解説を聞いたり、鳳凰図をじっくりと見たい方は+30分くらい見ておいてください。

引用:岩松院公式HP(https://ganshoin.com/)
駐車場は本堂から少し離れた場所に20台分あるそうです。

「あるそうです」って書いた理由は、実は本堂や仁王門の正面にも駐車場があって今回はここを利用したからです。
この駐車場について公式HPには書かれていなかったので、一瞬別の施設の駐車場かと心配になりましたが…ちゃんと「岩松院 駐車場」と書いてありました。
本堂から近いので、平日など空いているときはここに停めるのがおすすめです。

残念ながらというか当然というか…ペットは不可です。愛犬を連れている方は別の場所で遊びましょう。
岩松院拝観時の注意点
岩松院拝観時の注意点をまとめました。
本堂内は撮影禁止!

岩松院の本堂内は撮影禁止、つまり八方睨み鳳凰図は撮影できません。
本堂内には、ほかにも賓頭盧尊者(びんずる様)の像や福島正則の遺品など貴重な品々がたくさんありますが、いずれも撮影不可です。
また、本堂内では大声や大きな音を立てて走り回ったりしてはいけません。
天井絵は繊細で、わずかな振動でも劣化してしまうそうです。なので、あんまり騒いだりすると多分怒られます。
夏以外は厚手の靴下を推奨

本堂内を拝観する際は、季節にもよりますが夏以外はやや厚めの靴下を推奨します。
本堂内には靴を脱いで入りますが、スリッパのようなものは用意されていません。
本堂内はひんやりしていて床も冷たく、薄い靴下や素足で歩きまわると下から冷えてきます。
割と冗談抜きで寒いので、特に冬は厚い靴下を履いたり、厚着したり寒さ対策していくのをおすすめします。
冬期は福島正則の霊廟と蛙合戦の池には行けない

本堂内は季節問わず拝観できますが、福島正則の霊廟と蛙合戦の池は雪が積もると立ち入り禁止になります。
雪との組み合わせも見てみたい気がしますが…
岩松院の本堂目指して散策開始
では、岩松院散策開始。

一瞬、車で入って行っていいのか迷いましたが、もちろん大丈夫です。
この先に駐車場があります。

駐車場のそばには、タルトのお店「KUTEN。fruit&cake(クテンフルーツアンドケーキ)」があります。
なぜこんなところに(という言い方も失礼ですけど)あるのか。

言っちゃ悪いですが、岩松院やKUTEN。の周辺は小布施の中でも隅の隅。
商売をするのに決して適しているとは言い難いです。

そんなところにこんなオシャレなお店がある。
KUTEN。のタルトは、乗っているフルーツはもちろん、小麦粉やてんさい糖に至るまですべて小布施町から半径30km圏内で生産された素材を使用しているそうです。
タルト大好きな僕ですが、まさかこんなところ(だから失礼だって)にタルトのお店があるとは思わず…今回時間がなくてスルーしてしまいました。
時間に余裕がある方は、ぜひ自慢のタルトを堪能して行ってください。

駐車場から岩松院の仁王門が見えます。
仁王門をくぐればすぐ本堂なので、長距離歩くことはありません。
…と言いたいところですけど、霊廟や蛙合戦の池といったすべての見どころ回ると意外と広いので、体力に自信がない方はゆっくり歩いていきましょう。

仁王門到着。
ここには岩松院最初の見どころ、「味のある表情の仁王像」があります。

見よっ!
この焦点の定まらぬ、ある意味恐ろしい仁王様の表情を!
笑っちゃいけないと思いつつ、ユーモラスで親しみのある仁王様に笑顔で挨拶をして先を急ぎます。
なお、岩松院もこの仁王をネタにしていて、本堂内のショップではこの表情のまんまのおみくじ人形が売られていました。
本堂に向かう階段のそばの風景。
特筆するべき点はありませんが…超のどか。

仁王門をくぐり、階段を上ればすぐに本堂が見えてきます。
この本堂の中に、お目当ての葛飾北斎の八方睨み鳳凰図があります。
本堂へ入る場合は右へ、福島正則の霊廟や蛙合戦の池へ行く場合は左に進んでください。

本堂を右に行くと、下駄箱と券売機があります。
本堂内を拝観する場合はここで靴を脱ぎ、券売機でチケットを購入してください。
なお、券売機は現金専用ですが、スタッフに言えばクレジットカードや電子決済も可能だそうです。
残念ながら撮影できるのはここまで。

北斎館
本堂内の天井には、こんな感じで鮮やかで美しい鳳凰の絵が描かれていました。
その素晴らしさ、見事さと言ったらもう…
その…あれだ。
すごい。とにかくすごい。

正直、北斎についてあまり知らない、その上絵心もないHIROさんにはいまいちその素晴らしさが伝わらなかった模様。
北斎ファンなら感涙ものですが、個人的には『綺麗な絵だなー』以上の感想が出てきませんでした。
やあねえ…これだから芸術を嗜まない俗物って。
言い訳をさせてもらうならば、次の解説時間が迫っていてゆっくり鳳凰図を見れなかったことや、天井絵なのでちょっと遠くにあって…よく見えなかったせいもある。
まあ、芸術品の感じ方は人それぞれ。
僕のブログなので、思ったままを正直に書きました。

なお、本堂内では30分に1回ごとに鳳凰図の下で約10分の解説があります。
解説を聞きたい、もしくは逆に鳳凰図をゆっくり見るためにその時間帯を避けたい場合は時間を調節してください。
もちろん解説中は本堂内でほかの展示品を見て時間をつぶしてもOKです。
そのほか本堂内には、主に以下が展示されています。
- 葛飾北斎筆『八方睨み鳳凰図』
- 葛飾北斎筆『鳳凰図下絵(写真)』
- 中野土雛
- 賓頭盧尊者(びんずる様)
- 寺瀬黙山 展示室
- 福島正則 遺品
- 蛙合戦の池と蛙の写真
- 岩松院関連の書籍
- 高井鴻山筆『無』
さらに本堂内にあるショップでは、ここでしか買えない八方睨み鳳凰図やカエル、仁王をモチーフにしたオリジナルグッズがたくさん売られています。
御朱印帳やクリアホルダー、お香やバッジなどラインナップも多彩で、見ているだけでも楽しいのでぜひ寄って行ってください。
福島正則公の霊廟と蛙合戦の池も忘れずに

本堂を左に回ると、福島正則公の霊廟と蛙合戦の池へ行けます。

福島正則公の霊廟(れいびょう)は岩松院の墓地内にあるので、写真はアップだけで勘弁してください。
霊廟とは、歴史的に重要な人物や権力者などの遺体・遺骨を納めた、いわゆる「立派なお墓」です。
福島正則は豊臣秀吉の重臣であり、家臣の中でも最強の武闘派武将でした。

福島正則像
豊臣秀吉が柴田勝家を破り、天下統一を決定的なものにした「賤ヶ岳の戦い」では、その高い武勇と功績により「賤ヶ岳七本槍の筆頭」と称されました。
最終的に関ケ原の戦いでは徳川家康に味方し、その後49万8千石の広島城の大名になりました。
ですが、その後家康から無断で広島城の修理をしたと難癖をつけられてしまい、4万5千石の信州へ転勤させられてしまいます。(というか左遷だな)

個人的に福島正則公を称するならば、「武力ステータスが異常に高く、それでいて知略に疎い」、三国志で言えば張飛タイプ、キングダムで言えば信。
知略に疎いというと失礼ですが、策略とか謀略、根回しなどが苦手な体育会系の熱血武将だったと想像します。
そんな福島正則公、生前に岩松院を自らの菩提寺と定めていて、没後にこの霊廟が建てられました。

福島正則公の霊廟の先に、毎年春になると実際にカエルが集まって激しく争う場所として有名な蛙合戦の池があります。
ここで小林一茶が「やせ蛙 負けるな一茶 是にあり」の句を詠んだとされています。
句を直訳すると、「痩せた蛙よ!負けるんじゃねえ!この一茶がついてんぞ!」という力強い応援歌みたいな句です。
実は一茶には千太郎という病弱な息子がいて、その子と痩せて弱々しい蛙を重ね、その境遇を想って詠んだのではないかとされています。
時期ではなかったので、蛙の鳴き声は1回も聞こえませんでしたが雰囲気だけでもどうぞ。
まとめ:岩松院は歴史好きなら一度は訪れておきたいスポットでした

今回は、小布施町にある岩松院を紹介しました。
個人的には、よほどの北斎ファンでない限り八方睨み鳳凰図「だけ」を見に来るのはおすすめしませんが…
福島正則公や小林一茶、神社仏閣といった歴史が一通り好きな方であれば、思った以上に見ごたえのあるお寺だと思います。
なんにしても、「北斎館」「日本あかり博物館」と「岩松院」は、小布施に来たら絶対立ち寄るべき場所のランキング上位3か所です。
小布施の中心地からは少し離れていますが、車があればすぐに行ける距離なのでぜひ立ち寄ってみて下さい。
このブログでは、北斎館や日本あかり博物館も紹介していますので、以下の記事もぜひご覧ください。


小布施町宿泊情報
小布施町って宿泊施設少ないんですよね。
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