城泉山観音寺は、戸倉上山田温泉の上にある絶景が楽しめるお寺
長野県千曲市にある城泉山観音寺は、戸倉上山田温泉の上にある真っ赤で綺麗なお寺です。
千曲市を通ったことがある方なら、おそらく一度は見たことがあるはず。
…と、言われてもいまいちピンとこない方も多いかもしれないので、Googlemapから画像をお借りしました。

引用:Google map(google.co.jp)
千曲市の国道18号あたりを通っていると、川向こうの遠くの山になんか気になる建物を見たことありませんか?
これが城泉山観音寺です。
人によっては、城泉山観音寺の下にある「戸」「倉」「上」「山」「田」「♨」の看板のほうが気になるかも。

参考写真
夜は光ってより見やすくなります。(だからなんだ)
とにかく、僕もずっとこの赤い建物が気になっていたんです。
…
( ゚Д゚)「気になってんなら行くしかねえ!」
というわけで、行ってきました。
結論から言うと、お寺も景色も綺麗で最高でした。
あと、人々の記憶から忘れられた幽世(かくりよ)のような、独特な幽玄の美しさがあって最高でした。
お寺好き、秘境好き、廃墟好き、絶景好き…
いろいろな方のニーズを満たせる、素晴らしいお寺です。(誉めてるよ!)

なお、名前の通り城泉山観音寺は、長野市にある善光寺大本願の別院となっています。
善光寺大本願別院 城泉山観音寺の基本情報・アクセス
住所 | 〒389-0822 長野県千曲市上山田3510−7 |
電話番号 | 026-275-1757 |
参拝時間 | 24時間 |
休務日 | 無し |
入館料 | 無料 |
駐車場 | あり |
所要時間 | 30分程度 |
先ほども言いましたが、城泉山観音寺は長野県千曲市、戸倉上山田温泉の上にあります。
国道18号から千曲川を渡って戸倉温泉に入り、通り過ぎてまっすぐ進むとあとは1本道です。戸倉上山田から車で5分もかかりません。
参拝にかかる所要時間は参拝して、景色を楽しんで30分程度。近くにある澳津神社(奥津神社)を見ても40分あれば十分でしょう。
なお、城泉山観音寺には宝物殿があります。事前に問い合わせれば拝観もできるようですが、その際に拝観料として大人300円がかかります。
ただ、今回実際に確認したわけではなく、確認した情報もかなり古いです。

そういう意味でも、宝物殿に興味のある方は事前に問い合わせるのが良いと思います。
駐車場ですが、階段のある正面入り口を通り過ぎて水子観音のある方へ回ると、駐車できそうなスペースがあります。
たぶんここに停めていいと思いますが…もしお寺の方がいたら、きちんと聞いて確認してから停めてください。
この入口のすぐそばには澳津神社もあるので、ぜひ寄っていきましょう。

引用:日本歴史館公式HP(jp-history-museum.com)
ちなみに、城泉山観音寺正面入り口の向かいには「日本歴史館」と書かれた大きな建物があります。
歴代天皇の肖像画や資料が展示されている資料館のようですが…
僕が行ったときは閉鎖されてましたし、けっこう荒れ放題だったので…
正直、「ほぼ廃墟」という認識で差し支えないかと…(違ったらごめんなさい)

問い合わせれば開館するとか、イベント時には開館するとか情報が錯綜しているので、知っている方情報下さい。
善光寺大本願別院 城泉山観音寺を楽しむための注意点
- 夜は絶対行くなよ!?絶対だぞ!?
- 寂れた雰囲気や建物、風景も楽しもう
夜は絶対行くなよ!?絶対だぞ!?
参拝自体は24時間できそうですが、夜は絶対おすすめしません。
城泉山観音寺周辺は街灯もない山の上で、辺りは廃墟だらけ。
近くの建物には、ギリギリ管理されている銅像のほか、ほぼ打ち捨てられた仏像類も散見されます。
実際どうなのかはさておき、雰囲気はガチの心霊スポットです。
( ゚Д゚)「行くなよ!?絶対行くなよ!?」
例の「押すなよ、押すなよ!」の、熱湯風呂を使った伝統芸能のフリではなく、マジで行かないほうが良いと思います。
そのつもりで行くなら別に止めませんが、その場合はすべて自己責任で行ってください。
寂れた雰囲気や建物、風景も楽しもう
夜は論外ですが、昼間も城泉山観音寺周辺は人の気配がなく、非常にレトロな雰囲気…いやぶっちゃけ廃墟感満載。
城泉山観音寺の境内は、管理者もいて綺麗に手入れされています。
ですが、城泉山観音寺周辺にはバブル時代に建てられ、その後廃墟化したであろう建物や、その敷地内には打ち捨てられた(たぶん)像が散乱し、心霊スポット手前の雰囲気です。
ですが、僕的にはむしろそんな時代の移り変わりの栄枯盛衰やノスタルジーを感じる雰囲気も楽しんでほしいと思います。
たとえが合っているかわかりませんが、軍艦島や松尾鉱山のような、ゴーストタウンを訪れる感覚です。
いまどき、こんな悲哀やロマンを感じられる場所なかなかないですよ。
善光寺大本願別院 城泉山観音寺参拝
裏の駐車場スペースらしき場所に車を停めたら、できれば正面に戻ってきて階段を登って参拝しましょう。
裏からも城泉山観音寺には行けますが、せっかくのこの美しい風景を見ないなんてもったいない。
真っ赤で美しい城泉山観音寺が見えてきます。
「善光寺大本願別院」と書かれています。
寂れた山の中にあるとは思えないほど、真っ赤で美しいお寺です。
階段を登りきったところに香炉があるので、お金を払って線香に火を付け、香炉に挿して心身を浄化しましょう。
「善光寺大本願別院」の額の奥には、見事な龍の絵が描かれています。
作者など、詳しい情報はありませんでした。
でも、時間を忘れて見入るほど迫力と力強さに溢れた美しい絵です。
本堂の奥には、観音菩薩と善光寺一光三尊阿弥陀如来のご分身が祭られているそうです。
観音菩薩(観世音菩薩)は、如来(仏様の中で一番高い位)になるため修行中の菩薩で、「音(この世のあらゆるもの)を観る」と書きます。
その名の通り、世の中のありとあらゆる人を救うために様々な姿に変身し、すべての人に救いの手を差し伸べる慈悲深い仏様です。
「一光三尊阿弥陀如来(いっこうさんぞんあみだにょらい)」は、三尊一体の珍しい仏様です。
- 中央に阿弥陀如来(あみだにょらい)
- 右に観音菩薩(かんのんぼさつ)
- 左に勢至菩薩(せいしぼさつ)
三尊が一体となり、後ろに大きな光背(こうはい/仏像の背後にある光の表現)を背負っていることから、「一光三尊」と呼ばれます。
本堂の横には展望スペースがあり、戸倉上山田温泉や千曲川を含む千曲市全体が一望できます。
ここが城泉山観音寺最大の見どころです。
戸倉上山田温泉に向かう際に通る万葉橋や、戸倉上山田温泉が眼下に広がっています。
大きな旅館や、噴水のある公園もありました。
ここから景色を見ていると、行ってみたい場所がたくさん見つかります。
右側を見ると、千曲市に沿って坂城町のほうまで見えます。
手前右を見ると、先ほどなんとなく説明しましたが、保管されているのか打ち捨てられているのか判断に迷う像がたくさん放置…いや、保管されています。
向かいの山まで綺麗に見渡せます。
この写真ではよくわからないかもしれませんが、向こうの山の左側あたりを見ると、何やら存在感のあるモニュメントが見えます。
拡大すると、天狗がこちらを見ています。
実はこれ、千曲市の公園「戸倉宿サクラケアパーク」に設置されている天狗像です。
天狗像は国道からも見えるので、見たことがある方も多いかもしれませんね。
戸倉宿サクラケアパークについては、以前取材して記事にしています。
のんびり過ごしたり、お子さんを連れて遊びに行くのに最高の公園です。戸倉宿サクラケアパークについては、以下の記事を読んでください。
関連記事:【長野県千曲市】戸倉宿サクラケアパークは、謎の巨大天狗が鎮座するのどかな公園
本堂左側を進むと、車を停めた駐車スペースや水子観音様のいる場所へ行けます。
水子観音様や記念碑があります。
この辺りはきちんと管理されているので綺麗なんですが…奥に廃墟が見える。
この廃墟、元々は「信州観光ホテル別館」だったそうです。
いやもう、元が何であろうといまは間違いなく名称「廃墟」です。
内部が気になるかもしれませんが、もちろん入ってはいけません。
廃墟と言っても、基本的には誰かの所有物になっているため、勝手に入ると「不法侵入(住居侵入罪・建造物侵入罪)」に問われる可能性があります。
なにより管理されていない建物は危ないので、廃墟には意味もなく(意味があっても)入らないようにしましょう。
というわけで、今回は善光寺大本願別院 城泉山観音寺を紹介しました。
山の中にあるとは思えないほど美しく、絶景が楽しめる素敵な神社ですが、その周りにある多数の廃墟、良くも悪くも大自然、奇抜な澳津神社がこの周辺をカオスな空間に仕立てています。
とはいえ、この令和の時代にこんな不思議な空気を感じられる場所はなかなかありません。
近くには昭和レトロな温泉街戸倉上山田もあるので、独特の空気や雰囲気を感じに城泉山観音寺まで足を伸ばしてみませんか?
このブログでは、城泉山観音寺のそばにあるユニーク(何がユニークかはここでは書けません)な神社「澳津神社」や、さらに上に登った場所にある「城山史跡公園 荒砥城跡」も取材して記事にしています。
以下の記事もぜひ読んでください。