山寺常山邸(やまでらじょうざんてい)は、江戸~昭和初期に造られた表門・池・書院を復元した美しい景色を楽しめる屋敷跡です。
綺麗に手入れされた長屋門や美しい庭と池、そして日本建築の美しさを全身で感じられる書院。「何もしない」という最高の贅沢を楽しむのに最高の場所です。
山寺常山邸は松代の観光名所が多数密集しているエリアにあるので、ふらっと立ち寄ってみて、もし雰囲気が気に入ったらゆっくり回ってみてください。
本当は実際に来て、この文字にできない独特の美しい空気を直に感じてほしいのが本音です。
ただ、「なかなか行けない」「行く前にどんな場所か知りたい」という方も多いと思うので、取材してきました。
できる限り写真も載せていますので、松代観光を予定している方はぜひ読んでみてください。
なお、山寺常山邸は国の登録記念物(名勝地)に登録されています。
山寺常山邸とは、松代藩を支えた兵学者・教育者の屋敷跡
山寺常山邸は、江戸時代の松代藩士を支えた鎌原桐山、佐久間象山とともに「松代三山」と呼ばれ称えられた兵法学者、「山寺常山」の屋敷の表門や書院を復元・公開しています。
以下は公式のウェブサイトなどをチェックしてまとめた情報です。
- 表門は江戸時代から明治初期にかけて作られたものを復元
- 書院は大正時代~昭和初期にかけて作られたものを復元
- 園内の池は大正時代に造られたものを再整備・修景
- 元々あった母屋は大正時代までに失われて復元してない
要は、「昔ここにあった山寺常山さんの屋敷の表門と書院と池は復元したよ」というニュアンスで良いのかな?
公式読んでもいまいち時系列と言うか、細かい情報が理解できませんでした。
…
まあ、そんな細かいことはどうでもいいんです!
山寺常山邸は、美しい庭と池、書院を静かな雰囲気の中思う存分楽しめる場所だということです。
山寺常山邸の基本情報・アクセス
住所 | 〒381-1231 長野県長野市 松代町松代1493−1 |
電話番号 | 026-278-0260 |
営業時間 | 4月~10月 9:00~17:00 11月~3月 9:00~16:30 |
定休日 | 12月29日~1月3日 |
入場料 | 無料 |
駐車場 | 無し |
見学所要時間 | 15分~30分 |
山寺常山邸は、有名な象山神社と松代象山地下壕(松代大本営地下壕)の間にあります。
道を歩いていれば長屋っぽい建物が見えてくるので、見落とすことはないと思います。この約22メートルにも及ぶ長屋門形式は、松代城下に残る中でも最大だそうです。
左右が長屋になっているので、この道を歩くと昔にタイムスリップしたような写真や動画が撮影できます。
と思ったら、すでに松代観光協会のウェブサイトで撮影していました。
着物かなんか着て歩いたら、もっと綺麗な動画撮れそうですね。
山寺常山邸の入場は無料で、年末年始以外は無休で公開されています。
入場時間は4月~10月が9:00~17:00で、11月~3月は30分短い9:00~16:30。入場は閉場30分前となっているので注意しましょう。
所要時間は、約15分~30分ほどです。
山寺常山邸を楽しむためのポイント・注意事項
- ゆっくり、静かに散策を楽しもう
- 土蔵のイベントもチェックしてみよう
山寺常山邸は、なにか派手な建造物や景色があるわけではありません。ただただのんびりとした、日本の美しい風景と書院があるだけです。
人によっては退屈と思うかもしれませんが、一方で人によってはこの雰囲気がめちゃくちゃ刺さります。僕も予定していた時間よりもかなりのんびり過ごしてしまいました。
そのため、できれば多めに時間を取ってゆっくりと雰囲気を楽しんでほしいと思います。さっと見て帰るのはもったいないです。
また、山寺常山邸に来たら、奥にある土蔵でイベントをやっているかどうかもチェック。
土蔵では定期的にさまざまなイベントが開催されています。
この日は野鳥の写真が展示されていました。
山寺常山邸を散策
山寺常山邸の見どころは、「庭」「池」「書院」です。
庭園と池
表門をくぐると、綺麗な庭と池が広がっています。ベンチもあるので、天気のいい日は日向ぼっこにも最適。
庭や池の周りにはさまざまな木が植えられています。いつ来ても四季が感じられて美しいのですが、やはり紅葉の季節が一番おすすめです。
ぼくは、皆さんに年中いつでも気軽に行ってもらいたいので、紅葉などの季節限定の取材はできる限り避けています。
決して
( ゚Д゚)(紅葉の季節は混むからいやだなあ…)
とか思って取材を避けたわけではありません。
本当です。
信じてください。
池にある大きな松の木。
( ゚Д゚)(松の木、超頑張ってる!)
ちょっと無理やり延命させられているようにも見えなくも…いや、なんでもないです。
もちろんこれはこれで珍しいというか、素敵です。
動画もどうぞ( *´艸`)
いや~…ほかの記事でもそうですが、微妙な薄曇りの日が多くて申し訳ねえ。
基本僕は晴れ男なんですが、うっすーい雲も呼んでしまう体質らしいです。
天気のいい日の山寺常山邸は、もっともっと綺麗ですよ!
書院「対竹廬(たいちくろ)」
こちらは、対竹廬(たいちくろ)と呼ばれる書院です。
最初見たときはおしゃれな和風カフェにしか見えなくて、
( ゚Д゚)(コーヒーでも飲めるのかしら?)
とか思いました。当然何も出てきません。
紛らわしいのれんだなあ…。
ところでこの「対竹廬」という言葉、この書院の固有名詞なのか、なにかの建築技法を指しているのか。いろいろ調べてみましたが、結局わからずじまい。
もう少し詳しい説明が欲しい…。
ちなみに「廬(ろ)」は、草や木で造った質素な小屋のことで、僧や世捨て人の仮住まいするものを指すそうです。
書院内部は、古き良き日本家屋の雰囲気。開け放っているせいか清々しい空気が流れています。
「廬(草や木で造った質素な小屋)」と言う名が付いている割には、豪華というか広くて立派すぎないか?
と、疑問に思ったので「書院」の意味を調べてみたんですが、書院は「勉強や講義の場」「客を受け入れるための畳の部屋である座敷」がある小屋を書院と呼ぶそうです。
「書斎」のような、「読書、執筆用の部屋」の類義語かと思ったらそうではないっぽい。勘違いしていました。
書院でこの大きさってことは、元々あった屋敷はもっと広かったんですよね。
勉強や講義の場、と言われれば確かに納得です。
書院で個人的に一番のおすすめポイントが、奥の部屋にある「円窓(えんそう)」です。現代建築であまり見ることがない珍しい窓です。
円窓は、仏教における「完全」や「完璧」を表し、また禅の悟りを意味する円相(円窓)が由来とされています。
円窓から望む庭園の景色は、まるで一枚の絵画のような美しさ。
芸術に疎い僕ですら、思わず正座して時間を忘れて見入ってしまいました。
今回、山寺常山邸を取材しました。
山寺常山邸は、刺激的な展示物があるわけではありません。ただ、シンプルな分「人それぞれ思い思いの過ごし方ができる場所」ではないでしょうか。
松代観光の休憩場所として立ち寄るもよし、古き良き日本の庭園や建築に触れて楽しむもよし。
好き嫌いというか、気に入る・気に入らないは分かれるかもしれませんが、松代に来たら一度は立ち寄ってみてください。
このサイトでは、山寺常山邸付近の観光名所を多数紹介しています。以下の記事もぜひ参考にしてください。
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