僕が取材してブログ記事にする場所は、基本的に「マニアックな場所」を選んでいます。
長野県には善光寺やら松本城やら有名な場所がいろいろありますが、そんなところ僕が紹介せんでも公式やらほかの人やらの記事が大量にある。
僕が書いたところで、おそらく検索で引っかかることもなく、誰の目にも触れることは無いだろう。
だったら、他の人が書かないマニアックな場所を紹介することこそ僕の使命!
そんなことを思いながら、今日もせっせとGoogle mapで「そんな場所あったっけ?」みたいな観光地を探していたところ…長野市内の山奥に気になる場所を見つけました。

その名も「隠滝不動尊(かくれだきふどうそん)」。
( ゚Д゚)「なにそれかっこいい!」
もう名前がかっこよすぎる。某鬼を滅する漫画の鱗滝さんもびっくりだよ。
調べてみると、隠滝という神秘的な滝と迫力のある不動尊像がセットになった珍しい場所らしいです。
というわけで今回は長野県長野市にある隠滝不動尊に行ってきました。その時の様子を写真や動画で紹介します。

結論から言うと、非常に素晴らしい場所でした。ちょっと怖い場所ですが、頑張っていく価値はあります。
隠滝不動尊は、山奥にある美しい滝と不動明王像が拝める隠れた名所

隠滝不動尊は、長野県長野市の芋井地区(上ケ屋)にある滝?不動尊?です。
?と疑問符が付いている理由ですが、「隠滝」と「不動尊像(不動明王像)」が見られる場所なので、いまいちどっちがメインなのかわかりません。
とにかく美しい滝と荒々しい不動尊が一緒に拝めます。
山奥の道沿いに。いきなり上記の不動尊像が出てきますが、ややこしいことに、上記不動尊像は隠滝不動尊の不動尊像じゃありません。
これはあくまでも隠滝不動尊の入り口というか目印です。
何を言っているかわからないと思いますが、隠滝不動尊の不動尊は別にあります。

石の不動尊像の近くにある階段から、川に向かって下へ降りて行った先に約45mほどの滝、隠滝(かくれだき)が見えてきます。
この隠滝のそばにあるお堂の中に安置されている不動尊像が隠滝不動尊の不動尊です。

自分で何を言っているのかわからなくなってきた…とにかく、隠滝とそのそばにあるお堂の中にある不動尊像とセットで隠滝不動尊と呼びます
昔、この辺りには元々厄除け不動尊を奉る奥院があったそうです。
その奥院は水害によって流されてしまいましたが、明治35年に地元の地蔵堂の堂守や信者らの寄付により、隠滝不動尊の御堂が再建されました。
その御堂の再建の際に作られたのが、現在お堂の中にある不動尊像です。

参考イラスト
不動尊とは、いわゆる不動明王様の尊称です。
不動明王は大日如来の化身で、煩悩にまみれた人たちを救うためにあえて炎を背負い、剣を持ち、憤怒の表情をした恐ろしい姿で顕現しました。
その名の通り、揺るぎない不動の心を持って、力づくで人々を正しい道へ救済するそうです。
ご利益は除災招福、厄除け、煩悩退散、学業成就、商売繁盛、病気平癒と幅広く、全国各地で広く信仰されている有名な仏様と言えます。
隠滝不動尊の不動尊像は、身の丈約4.55mと国内の不動尊像の中でも比較的大きなサイズです。

不動尊像を手掛けたのは「塚田神仏具店」の塚田専治氏で、塚田神仏具店さんは現在も長野市駅前で営業を続けています。
隠滝不動尊の基本情報・所要時間
| 住所 | 〒380-0888 長野県長野市上ケ屋 |
| 電話番号 | ー |
| 営業時間 | 24時間 |
| 休日 | 無し |
| 駐車場 | あり |
| 所要時間 | 15分~20分 |
隠滝不動尊の散策にかかる時間は、20分もあれば十分だと思います。
もちろん動画や写真を撮ったりすればもう少しかかりますが、個人的には熊が怖いので早々に切り上げるのをおすすめする。(笑)
隠滝不動尊への行き方・アクセス
隠滝不動尊は、長野県長野市の上ケ屋にあります。
行き方がかなり複雑で、信大や善光寺の前にある国道406号を戸隠や鬼無里方面に向かって走り、途中で県道76号(長野戸隠線)を上り、さらに途中から県道453号線を経由して目指します。
はっきり言って山奥です。道も複雑で、ひょっとしたら迷うかも。
目印?
そんなものはない。
ナビと気合となんとなくの感覚でたどり着け!としか言いようがありません。

引用:Google Map(www.google.co.jp)
強いて目印になりそうな場所を挙げるとすれば、上記写真の「上ゲヤバス待」と書かれた心霊スポットのようなバス停です。
ここを右に曲がると県道453号線になり、しばらく進むと隠滝不動尊が見えてきます。
この辺りに芋井地区の案内看板もあるので、一度車を降りて確認しておくといいかもしれません。
本当に山奥ですが、集落や小学校、幼稚園などがあり意外と(地元の方すみません)人の営みというか、気配はするので安心してください。
ちなみに、スマホのナビより車のナビを推奨します。
スマホのナビを使うと、山奥で電波が悪いため何回も「位置情報が失われました」とか言われます。

県道453号線に入ってさえしまえば、道は1本ですし、赤い目立つのぼりが見えてくるので見落とすことはありません。
石の不動尊の道を挟んだ反対側に駐車スペースがあります。
なお、隠滝不動尊のある上ケ屋は芋井地区の地名の一つで、キャンプやアクティビティで人気な大座法師池もあるエリアです。
隠滝不動尊のある道をさらにまっすぐ進むと、大座法師池に行けます。このブログでも紹介しているので、良かったらついでに以下の記事もどうぞ。
関連記事:【長野県長野市】大座法師池&長野フォレストヴィレッジで遊ぶ・食べる・癒される!
隠滝不動尊を安全に楽しむための注意点
隠滝不動尊を安全に楽しむため、以下の点に注意しましょう。
とにかく熊などの野生生物に注意

隠滝不動尊に行く際は、とにかく野生生物に注意です。
具体名を出すと、特にクマ。
この芋井や上ケ屋という地域は「熊が出そう」とかじゃないです。

熊が出る。(確信)
素人でも間違いなくそう確信できる雰囲気です。
というわけでこの日もかなりビクビクしながら取材してきました。
まあ、結局出なかったんですけどね。
…と思ったんですが。
帰宅後、何気なく地元の情報をチェックしていたところ…
ちょうど僕が取材していた場所の近く、同じ時間帯で熊の目撃情報があったそうです…。

参考画像
ニアミスしてた。
( ゚Д゚)(生きててよかった…っ!!)
まあ、熊に関しては長野県全土で注意しなくてはいけませんが、この辺りに行く際は一段階ほど警戒レベルを上げていったほうが良いと思います。
隠滝不動尊に行く際は熊避けの鈴を持ち、できれば複数人で行くのがおすすめです。

もちろん、猪、スズメバチ、ヒル、マダニ、蛇(マムシ)などなど…ほかにも注意すべき生き物はたくさんいます。
隠滝不動尊に行くまでの道に迷うと非常に厄介!

あと、道に迷わないよう事前にしっかりルートはチェックしておいてください。
というのも、この長野市の芋井地区、地元の人には申し訳ないのですが…ぶっちゃけとんでもない場所です。
場所自体は長野市街地から15分~20分くらいですが、ものすごい山里。

引用:Google Map(www.google.co.jp)
この地図を見ろ!
静脈か!ってくらい超細かく入り組んでいて、ほぼ迷路です。

もちろんほとんどの道はこの通り狭く、道を間違えてもUターンにも苦労するような場所がずっと続きます。
そもそも、道を間違えてもしばらく気づかないほど目的地までの道がわかりにくい。
1本道を間違えたら、そのまま道に迷って数十分時間をロスします。

実際に道に迷って、数十分ロスった人間が言うんだから間違いない。

悪口ばかりだと地元の方や関係者に怒られるので一応フォローすると、この地域の景色は本当に素晴らしいです。
空は広く、棚田や山々を見下ろせる場所もたくさんあります。
まさに「古き良き日本の原風景」という言葉がぴったりです。

( ゚Д゚)「なあーつがすーぎー♪かーぜーあーざみー♪」
と、令和のいま、つい井〇陽水さんの少〇時代を呟いてしまう風景なんてなかなか見られないと思いませんか?
ゲームで言えば「ぼくの〇つやすみ」ですかね。

意外と頻繁に絶景ポイントというか、心を奪われる風景が出てくるので、道に迷いながらのんびりドライブするのもいいと思います。

引用:芋井の里公式(http://i-mo-i.net)
芋井地区には、県の天然記念物にも指定されている神代桜をはじめ、神社や城址跡、狢郷路山など、意外にも(失礼な)見どころ満載です。
芋井の公式HPで、ぜひいろいろチェックしてみてください。
隠滝不動尊のお堂と隠滝へ向かいます
それでは、お堂と隠滝のある場所へ下っていきましょう。
隠滝不動尊の入口~滝までの道

不動尊のあるお堂と隠滝に行くには、道沿いにある不動尊の石像の後ろにある道を下っていきます。
くどいようですが、これは身の丈4.5mの不動尊ではありません。これはこれで繊細な彫刻でかっこいいんですけどね。

これが隠滝と不動尊に向かう道です。
ただ…正直、めっちゃ怖いです。
どこまで続いているかわからない下り道…心霊的なものも、物理的な毛むくじゃら生物的なものも含め、とにかくなんかいろいろ出てきそうな雰囲気。
本当に怖かったです。
『またまた…どうせ大げさに言っているだけでしょ…』と思う方もいると思うので、決死の覚悟で撮影した動画をどうぞ。
テーマソング「森のくまさん」を脳内再生しながらご覧ください。
入り口付近はまだマシです。
この日のように、天気の良い日は光が入ってそれなりに明るいですし。

ところが、下って数分もしないうちにどんどん森が深くなっていき、薄暗くなってきます。
もちろんほかに観光客なんていません。
というか、ここに来るまでに地元の人すら見ていません。
正直、一人で来たことを後悔しました。
湘〇乃風のライブのタオルばりに熊よけ鈴をぶん回し、いるかもしれない生物に対し青山テ〇マばりに「ここにいるよ」アピールしながら下っていきます。
下っていくと少しずつですが、滝の音が聞こえてきました。

熊鈴ぶん回し、途中で謎の奇声や歌声を発しながら下ること10分。
赤いお堂が見えてきました。ここが終着点です。
隠滝不動尊のお堂と滝に到着

深い森の中、ひっそりと佇むお堂。
正直、お堂は手入れされているとは言い難い感じですが…周りの景色とマッチしていてなかなか渋くていい雰囲気です。
隠滝はお堂の反対側にあります。せっかくなのでまずは動画でどうぞ。
いつまでも見ていたくなります。
もちろん一人じゃなければの話です。
動画や写真では美しさしか感じないと思いますが、マジで周囲の雰囲気は恐怖です。

お堂から見上げた隠滝はこんな感じです。
隠滝は、決して豪快な滝ではないものの、素朴で侘び寂びの美しさを感じる滝です。
また、森の奥深くに隠された神秘的な滝というシチュエーションも美しく感じる要因だと思います。

水しぶきも美しいです。

本当にいい滝なんですけどねえ…
周囲を警戒しながらだったのでいまいち集中できなかったというか、楽しみ切れなかった感じはあります。
やっぱりきちんと隠滝不動尊を楽しむなら、何人かで行ったほうが良いと思う。
人数が多ければ、その分話し声や気配が増えて熊に不意に遭遇するリスクは減ると思います。
隠滝不動尊参拝!

隠滝を存分に楽しんだら、忘れずにお堂の中にある不動尊像も見ていってください。
これが隠滝不動尊の「身の丈4.5m超の不動尊像」です。

正直、入り口の石像の方がかっこいい気がする

実は、お堂のある場所からもう一段下に降りる階段があり、ここを下るとさらに隠滝に近づけます。

階段を降りると、川沿いと滝の真下に出ます。
ただ、ここに来ると茂みだらけで熊の恐怖が増すのはもちろん、蜂と蛇のリスクも増します。
『今回怖がってばっかじゃねーか!』
というご指摘はもっともなのですが、そういう方は実際に一人で来てみやがれくださいませ。
ここに一人で来てまったくなにも感じなかったら、伝説の勇者か危機管理回路がぶっ壊れているかのどちらかです。

一番下まで降りて見上げる隠滝は、より一層迫力というか臨場感が増して楽しめます。
さて、十分に隠滝と不動尊を堪能したら帰りましょうか。
帰りも熊に出会わないよう、腱鞘炎になるレベルで夏フェスのタオルなみに熊鈴をぶん回し来た道を戻っていきます。
コツン…
( ゚Д゚)(ん?なんか蹴飛ばしたぞ?)

…
( ゚Д゚)(どなたかの食事の跡かな?)
こうならなくて良かったです。
※ちなみにツキノワグマは基本人間を食べません
まとめ:隠滝不動尊は、山奥にひっそりと佇む美しく神秘的な滝と不動尊
というわけで、今回は長野県長野市にある隠滝不動尊を紹介しました。
行くのも大変だし、人もほとんどいない場所なのでいろいろ不安になりながらの取材となってしまいました。
ですが、そういった大自然の中にある景色だからこそ、恐怖やリスクを乗り越えてでも見に行く価値があるのかなと思います。
何時間も山の中を歩くわけではないので、ある意味手軽に大自然を楽しめる場所です。
米子大瀑布や雷滝といった豪快で有名な滝も良いですが、たまにはこういった隠れた名所の滝を楽しんでみてはいかがでしょうか。
このブログでは、長野県のややマニアックな観光地をたくさん紹介しています。滝が好きな人のために、滝の記事もたくさんあるのでぜひ以下の記事もご覧ください。
関連記事:【長野県高山村】雷滝は別名「裏見の滝」!大迫力の滝を裏側と間近で楽しめる

