今回紹介するのは、長野県長野市信州新町にある「薬師如来坐像」です。
普段は地元の人以外通らないような山奥(失礼)にひっそりと佇む、5m超えの巨大薬師如来坐像…。

これだけでもワクワクするというかロマンの塊なんですが、実はこれ「男性が一人で彫り上げた手作りの如来様」なんです。
( ゚Д゚)(そんなの絶対この目で実物見たいじゃん…!)
というわけで、信州新町まで車を走らせて薬師如来坐像を見てきました!
写真や動画はもちろん、薬師如来坐像の製作者西沢さんからも直接お話が聞けたのでその情報も一緒に紹介します。

なお、薬師如来坐像は個人宅の敷地内にあります。参拝の際はマナーと常識的な配慮をお願いします。
信州新町の薬師如来坐像とは:一人の男性が独学で彫った巨大仏像!

長野市の信州新町にある薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)は、この地に住む西沢さんが2020年から製作を始め、約4年の歳月をかけて一人で完成させた巨大な薬師如来様です。
大きさは約5.4mもあり、目の前で見上げたときのその迫力たるや圧巻の一言。
もちろんただ大きいだけではなく細部までしっかりと彫り込まれていて、とても一人で造ったとは思えないクオリティです。
そんな素晴らしい薬師如来坐像を造り上げた西沢さんですが、実は元々プロの彫刻家でもなんでもありません。

たまたま仏像を作っている友人に勧められ、「趣味」として独学で仏像作りを始めたそうです。
そして小さな仏像をいくつか作っているうちにすっかりハマってしまい、気づけば大小さまざまな仏像を手掛けるようになりました。

いや、趣味で仏像を彫るって話はたまに聞きますが…
このサイズはやりすぎだろ( ゚Д゚)!
※誉め言葉。
おそらく、「個人が完全手作りで造った木製の仏像」としては国内でも最大級の大きさです。

もし違ったら苦情はこちらへ!(笑)

メインはもちろん巨大薬師如来坐像ですが、そのほかに仁王像や不空三蔵法師像、鬼無里の鬼女紅葉像など、敷地内には西沢さんの作品がたくさんあります。
その数は約100点!しかも今後も少しずつ増やしていく予定とのこと。
薬師如来とは:病やけがをたちどころに治す仏教界の最強ヒーラー!

仏教に詳しくない方のために簡単に、そしてわかりやすく薬師如来様について解説しますね。
薬師如来は、一言で言えば「現世を生きる人たちを癒す」に特化した仏教界最強のヒーラーです。
右手に「施無畏印(せむむいん)」という掌を見せるポーズをし、左手にどんなけがや病気もたちどころに治す薬が入った「薬壺(やっこ)」を持った御姿をしています。
一般的に如来や菩薩は「現世の幸せ」と同時に「あの世や来世の幸せ」をもたらすとされることが多いのですが、薬師如来は「現世の幸せ・ご利益に完全特化」しています。

「あの世や来世で幸せになれる」では気が長すぎますが、「いまのけがや病気が治る」というわかりやすいご利益の薬師如来は、古くから多くの人たちに広く信仰されてきました。
見返りを求めず、現世のけがや病気、苦しみを取り除いてくれる、いわば「完全無料で手術してくれる親切なブラックジャック」みたいなものです。

けがや病気の人はもちろん、僕のような虚弱体質の人にもおすすめな仏様です。
信州新町の薬師如来坐像の基本情報(住所・所要時間・撮影可否など)
| 住所 | 〒381-2401 長野県長野市信州新町越道1139 |
| 電話番号 | 非公開 |
| 定休日 | 無し |
| 参拝時間 | 民家なので 常識的な時間にお願いします |
| 料金 | 無料 |
| 駐車場 | 無し |
| トイレ | 無し |
| ペット同伴 | 遠慮してください |
| 見学所要時間 | 約15分程度 |
| 撮影可否 | OKですが常識とマナーを守って |
| 公式サイト | 無し |
薬師如来坐像自体は24時間365日いつでも見ることはできますが…個人宅の敷地内なので朝早くはともかく夜はやめておきましょう。
ってか…迷惑だから絶対行くな。
ペットに関しては抱っこして一緒に参拝くらいならいいと思いますが…粗相の問題とかあるので基本はNGです。

滞在時間や参拝時間の目安は15分程度です。
参拝時間よりも、ここに来るまでの移動時間の方が大変だと思う。
撮影に関しては西沢さん曰く自由に撮っていいとのことですが、マナー・節度・常識その他諸々守った上で撮影してください。
信州新町の薬師如来坐像へのアクセス・駐車場情報
信州新町の薬師如来坐像があるのは、長野県長野市信州新町の越道(こえどう)地区です。
Google Mapを見てもらうとわかると思いますが、越道地区はかなりの山奥…げふんげふん、けっこうすごい場所にあります。

長野市から行く場合、国道19号沿いにある県道31号、通称・白馬長野道路を通って小川村へ行き、上記の小川の庄おやき村本店へ行く道をおやき村本店方面へ曲がらずまっすぐ進みます。
そのまましばらく進めば、右側に薬師如来坐像が見えてきます。
もう一つのルートは、19号をもう少し進んで「奈津女橋の信号」を右に曲がるルートです。
信州新町にある信州新町化石博物館や、ジンギスカンで有名なろうかく荘というお店が近くにあるので目印にしてください。
ただ、こちらの信州新町化石博物館ルートは国道を曲がってからも道が入り組んでいて、めっちゃ迷いやすいです。
なので、できれば小川の庄おやき村本店ルートからがおすすめ。

薬師如来坐像があるのはこの場所です。
上記は信州新町化石博物館ルートから来た風景ですが、この道を左に降りていくと薬師如来坐像があります。
小川の庄おやき村本店ルートから来ると、右の道から下ってくる感じですね。

道からも見えるほどの大きさと異様な存在感なので、見落とすことはないと思います。
山の中を走っていると集落の中に突然現れるので、見つけたときはテンション上がって思わず「見つけた!」と叫んでしまいました。
道沿いにこんなのあったらびっくりしそうですよね…

と思うかもしれませんが、ここを通る人は地元の方か薬師如来坐像を見に来た方くらいくらいなのでビックリする人はいないと思います。
この地区の立地上、たまたま通りかかった人が目にするという可能性はほぼゼロです。
道に迷ったってそうそうこの辺りには来られません。(超失礼)
当然ながら現地に駐車場はないので、迷惑にならない場所に停めてください。

時間的には長野市街地から50分前後あれば行けると思いますが、山道の運転に不慣れな方はもう少し余裕を見ておきましょう。
信州新町の薬師如来坐像参拝時の注意点
薬師如来坐像へ行く際の注意事項です。
もう、とにかく本当に守って。
【最重要】一般家庭の敷地内なので、常識とマナーを守って!

さっきも書きましたが、とにかく一番気を付けてほしい点は「参拝や撮影は常識&マナーを守って!」ってことです。
例えば主に以下の点に注意してください。
- 畑や住宅敷地内に勝手に入らない
- 他の家や人などが写らないようにする
- 騒がない!
- ごみを捨てない!
- 作品に勝手に触らない!
- 変な時間に行かない!
薬師如来坐像は西沢さんが個人的に製作したもので、置かれている場所はまさにその西沢さん宅の敷地内です。
自分の自宅に知らない人がドカドカやって来て、無遠慮に写真撮ったり庭で騒いでたら嫌ですよね。
僕だったら、彫る前の丸太で殴りますねたぶん。
ましてやごみを捨てたり、作品に触れて壊したり、深夜に遊びに来るなんてのは論外です。
僕だったら、彫った後の仏像で殴りますねたぶん。

何度も言いますが、ここは観光地ではなく一般家庭です。
例え記事が読みにくくなったとしても、僕は声(文字)を大にして何度でも言います。
「参拝や撮影は常識&マナーを守って!」
西沢さんはめちゃくちゃ良い方で、参拝や撮影は自由にしていいと仰ってましたし、要望をお願いしても「いいよいいよ」と仰って下さるとても優しい方です。
ですが、この優しさに甘えて敬意や配慮を欠くなんてことがあってはいけません。

マナー違反野郎は西沢さんが許しても僕が許さん。

どこぞの観光地みたいにマナーの悪い人が増えて周辺の方々に迷惑がかかったりすると、ひょっとしたら作品が非公開になってしまうかもしれません。

いつまでもこの場所にあってほしいので、常識とマナーは守ってください。マジでお願いします。
西沢さんがいたら一声かける

僕のように写真や動画をしっかり撮影したい場合、西沢さんがいたらできれば一言声をかけてください。
西沢さんから撮影して良い場所や面白い撮影スポットを教えてもらえたり、時間があれば製作時の面白いお話も聞かせてもらえるかもしれません。

ほかにも、外には出していない作品やいま彫っている最中の作品のこと、敷地内にある茶室とか露天風呂とか見せてくれたり…おっと、これ以上は言えねえ。(ほぼ言った)
上記のメリットを抜きにしても、そもそも人としてのマナーです。
一声かけて撮影すればこちらも気兼ねなく撮影できますし、西沢さんも安心するはずなのでできれば一声かけるようにしましょう。
ただし普通に参拝する場合や、道から撮影するだけなら声をかけなくてもいいと思います。
来た人みんなが声かけると、それはそれでご迷惑になってしまう気がするので…。
山奥&住宅地なので行く前の準備は万全に

信州新町越道地区は、たぶんみなさんが想像している何倍も山奥です。
…って言うと住んでいる方に大変失礼ですが、嘘は言ってないので撤回しません。
何が言いたいかというと、当然トイレも自販機もコンビニもありません。
行く前に、国道19号付近のコンビニや公衆トイレで飲み物などの準備はちゃんと済ませておきましょうってことです。

何度でも言いますが、現地で西沢さんや周辺の方々に迷惑をかけるようなことは絶対にないように。
できればご寄付や芳名帳記帳をお願いします

参拝された方は、薬師如来坐像や仁王像の前にある賽銭箱にお気持ち程度の寄付をお願いします。
それが、作品を造って誰でも見られるように公開してくださっている西沢さんへの感謝と誠意ってもんです。

と、僕が勝手に思っているだけですが。

あと、西沢さんから芳名帳に名前を書いてほしいと頼まれるかもしれません。
住所は市町村までで詳しく書かなくてもOKですし、名前はペンネームでもいいそうなので可能な限り応じてください。
信州新町の薬師如来坐像参拝

さて、(いつも通り)前置きが長くなりましたが、いよいよ薬師如来坐像の紹介です。
この道を右に上がっていくと薬師如来坐像、左に進むと左側に仁王像があります。
どっちもちらっと見えていますね。

もちろんまずは薬師如来像から紹介していきます。
動画も撮ってきたので載せますね。
全体的に動画が白飛びしちゃって申し訳ねえ…実物はもっと綺麗です。
アクションカメラの設定難しい…(言い訳)
次に、大きさがもっとよくわかるように僕が並んでみた動画をどうぞ。
動画映えする美男美女のモデルを用意できればよかったんですが…僕で我慢してください。
動画映えはともかく、大きさはわかってもらえ多と思います。
これを一人で造ったってのが信じられません。

この薬師如来坐像は、複数の種類の木を組み合わせて作る「寄木細工(よせぎざいく)」という手法で作られています。
着ている「法衣(ほうえ)」は、麻布を固めて再現しているそうです。

失礼な話、本当に細かくじっくり見ていくと確かに粗はあります。
ただ、そんなものはどうだっていいんです。
綺麗に整えられた作品にはない、熱意で造り上げられた荒々しいハンドメイドの手作り如来様だからこその存在感や美しさってものがあります。

昔、某テレビ番組でピアノに触ったこともない漁師のおじさんが、フジコ・ヘミングさんの「ラ・カンパネラ」に感動し、数年間の猛練習の末に弾けるようになったという企画がありました。
その人の演奏もお世辞にも正確で綺麗とは言えませんでしたが、それでもその演奏を聴いたとき僕は涙が止まらなくなったのを憶えています。
この薬師如来坐像を見て、そのときと同じ感動を覚えました。

顔は西沢さんがこだわっている部分でもあり、非常に丁寧に作られています。
特に表情は、一般的な仏像に比べて人間味というか親しみを感じさせる表情です。
頭にある「螺髪(らほつ)」も一つ一つ手作りとか…。

正気じゃない…(誉めてます)

さっき動画にも映っていた薬師如来坐像の横にあるちょっと怖い顔をした像は、中国密教を完成させた大訳経家「不空三蔵」の像です。
不空三蔵は仏典の翻訳における最高峰のひとり、つまり「超偉いお坊様」で、中国へバラバラに伝わっていた密教を統合して完成させました。

西遊記で有名な三蔵法師である「玄奘三蔵」と同格と言えば、なんとなくすごさが分かってもらえると思います。
密教と言えば日本に密教を持ち込んだ空海が有名ですが、「不空三蔵が中国で完成させた密教を空海が日本に持ち込んだ」という流れです。

そんな不空三蔵の像ですが、眼力がけた違いです。
西沢さんの像は目が独特で、この目が意思の強さやもちろん、怖さも感じるほどリアルな表情を作り出しています。

(夜にお子さんが見たら泣くんじゃないのかこれ…。)
近くには仁王像も
薬師如来坐像の近くには、同じく西沢さんが作った仁王像があります。

こちらは全長3mほどの像で大きさは薬師如来に及ばないものの、驚くべき点はこの作品が「1本の木から造り出されている」ことです。
仁王様の足元に切り株がありますが、それが元の木のサイズだそうです。
というわけで大きさが分かる動画をどうぞ。
一人しかいなくて、アクションカメラを置けるいい場所もなかったのでちょっとわかりづらい動画になっていますよね…。
でもなんとなく大きさはわかってもらえると思います。
今回動画に関してはグダグダで申し訳ねえ…
本来アクションカメラはきちんと設定すれば、スマホよりもはるかに綺麗な動画が安定して撮影できますよ。

話を仁王像に戻しますが、通常仁王像は口を開けた「阿形(あぎょう)像」と、口を結んだ「吽形(うんぎょう)像」の2体1組です。
また、手には煩悩や仏敵を打ち砕く武器「金剛杵(こんごうしょ)」を持っています。
ですが、この仁王像は1体のみで、しかも右手には赤子を抱いて左手で悪魔を力強く握り潰すという独自の解釈で造られています。

あまりの苦しさに、悪魔は蛇を吐き出しています。
こんな感じで、非常に型破りというか独特な定義の仁王様です。

小川村アルプス展望広場のずくだせ明王
この型にはまらない仁王像を見て、小川村のアルプス展望広場にあるギターやスコップを持った同じく型破りな明王様、「ずくだせ明王」を思い出しました。
そのことを西沢さんにお伝えしたら、なんと仏像作りのきっかけになった友人とは、ずくだせ明王の作者である高橋さんだそうで。
どうりで作風とか雰囲気が似てるなあ…と納得。

西沢さんの像はすべて表情と目がすごいのよ…

顔に注目しがちですが、赤子や仁王様の筋肉もリアルです。

仁王像の隣にあるのは、インドの伝説的な高僧をモデルにした「木造無着菩薩立像(むちゃくぼさつりゅうぞう)」の模刻(もこく)、いわゆるレプリカです。
元となっている木造無着菩薩立像は、鎌倉時代の天才仏師・運慶(うんけい)が造った肖像彫刻の最高傑作とされ、現在は国宝となっています。

運慶の仁王像イメージ
運慶と言えば、高さ8メートルを超える巨像にもかかわらずわずか69日間で完成させた東大寺南大門の「金剛力士立像(仁王像)」が有名です。

先ほどこの像は運慶作・木造無着菩薩立像の模刻と書きましたが、模刻は「寸分違わず」「精巧に模する」という意味です。
独特の表情や雰囲気を持つ西沢オリジナルとでも呼ぶべきこの像は、模刻というより「意臨(いりん)」や「創意模刻(そういもこく)」と呼ぶのがふさわしいかもしれません。

意臨とは、ただ忠実に真似るのではなく元の造り手をリスペクトして作品を模倣することです。
運がよければほかの作品も見られるかも…

西沢さんは現在までに100体余りの作品を造っていますが、その多くは自宅に保管されています。
今回、運が良かったというか行いが良かったというか…流れでその一部を見せてもらえました。
真ん中にあるのは、コロナ終息を祈って造られた鬼無里の鬼女伝説「紅葉の像」です。
当初アマビエを造ろうと思ったものの、なんとなく乗り気にならなかったので紅葉を造ったとか。

たくさんの名作の中、僕が目を奪われたのが珍しい形の木を削り出して造ったマリア像。

顔以外は全く手を付けておらず、ほぼ自然の形のままなんだとか。
素晴らしい作品でした。
なお、自宅の作品は必ず見られるものではありません。
くれぐれも…くれぐれも無茶や強引なお願いはやめてください。
当たり前ですが、勝手に入って見たりすると不法侵入になります。

そんな奴がもしいたとしたら、遠慮なく国家権力様に捕まってしまえ。
まとめ:信州新町の薬師如来坐像は、山奥まで行ってでも見るべき価値の仏像

今回は、長野県長野市の信州新町にある薬師如来坐像を紹介しました。
この薬師如来様なんですが…いくら写真や動画で紹介しても実際に見た感動は伝えられないと思う。
ほとんどの人にとって行くのがかなり大変な場所にありますが、長時間車を走らせてでも行く価値は絶対あります。

ぜひその圧倒的な迫力や存在感、そして唯一無二のデザインの仏像や仁王像を見に来てください。
あ、くれぐれも迷惑だけはかけないように…(何度でも言うよ!)
このブログでは、このほかにも長野市や信州新町周辺の観光スポットをたくさん紹介しています。以下の記事もぜひ読んでみてください。
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