このブログで取材して記事にする長野観光地を探す方法で、もっとも活用しているのがグーグルマップです。
グーグルマップでなんとなくあちこち見て回り、「面白そう」と思った場所があれば軽く調べて取材に行ってみるという方法をとっています。
そんな方法で見つけたのが、今回紹介する「さらしなの里 古代体験パーク」と「さらしなの里 歴史資料館」です。
いまどき珍しく公式サイトはないし、千曲市観光局も大手の観光サイトの紹介もかなり簡素というか適当!(←失礼)
ここはB級観光名所ハンター(?)の僕が行って、さらしなの里の魅力を存分に伝えるしかない!
そんなわけで今回は、「さらしなの里古代体験パーク」と「さらしなの里歴史資料館」を紹介します。
結論から言うと、思っている以上に楽しかったです。
特にお子さんと一緒に行けば、1日とまでは言わなくても半日くらい余裕で潰せます!
なお、愛あるイジリとは言え、記事中にちょいちょい失礼な表現が出てきますが関係者のみなさまご容赦ください。
さらしなの里 古代体験パーク・歴史資料館とは
「さらしなの里」には、2つのエリアがあります。
- 縄文時代の集落を再現した公園「古代体験パーク」
- 発掘した貴重な文化財を展示している「歴史資料館」
古代体験パークでは、縄文時代の家「竪穴住居」や「高床住居」が再現されていて、しかも実際に入ったり登ったりできます。
綺麗な池や遊歩道も整備されていて、公園として散策するのもおすすめ。
歴史資料館では、石器・土器・土偶といった縄文時代の生活や文化に関する道具を展示しています。また、縄文時代の飾り玉製作や火起こし体験など、当時の暮らしを体験できるコーナーも。
ただ、こう書くと地味な感じしかしませんよね…
( ゚Д゚)「小学生の社会科見学かよっ!」
とか思っちゃうかもしれません。
ですが、
社会見学舐めんな。
と、強く言い返したい。
大人になり、様々な知識や経験を培ってきた今だからこそ、こういう社会見学が楽しいんです!
…と、言ったところで、興味が湧かない方は湧かないですよね。
まあ、そんな方はせめてこの記事だけでも読んでいってください。
それでも興味が湧かなければ、無理に行けとは言いませんので。
さらしなの里 古代体験パーク・歴史資料館の基本情報・アクセス
住所 | 〒389-0812千曲市羽尾247-1 |
電話番号 | 026-276-7511 |
営業時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
定休日 | 月曜日/祝日の翌日/12月29日~1月3日 |
入場料 | 大人300円/高校生150円/中学生以下無料 |
所要時間 | 30分~120分 |
さらしなの里は、千曲市にあります。
場所がかなりわかりにくく、JR姨捨駅と国道18号の間?くらいの位置です。
説明しようにも目印になりそうな建物もないし…周辺も工場しかないのでうっかりすると見落としてしまうかもしれません。
というわけで、上記の地図やナビを使って何とか辿り着いてください。
古代体験パークは公園なので24時間利用できそうです。(深夜に訪れる人はいないと思いますが)
歴史資料館の営業時間は9:00~17:00で、入館料は300円ですが火おこしなどの各種体験に別途料金がかかります。
所要時間は目的次第で変わりますが、古代体験パークを回って歴史資料館を見るだけなら1時間程度です。
お子さんと一緒に集落で写真を撮ったり、歴史資料館の体験でがっつり遊べば3時間くらい遊べそうな気がします。
さらしなの里 古代体験パーク・歴史資料館を楽しむためのポイント
- ぜひ天気の良い日に行ってほしい
- 歴史資料館のムービーは一見の価値あり
- 「さらしなの里」だけでネット検索しないように
さらしなの里 古代体験パーク・歴史資料館を思いきり楽しむなら、天気の良い日がおすすめです。
雨や雪が降っていると、せっかくの公園が楽しめません。
竪穴住居で雨宿りするというマニアックな遊びをするのも楽しそうですが…
あと、歴史資料館のミニシアタールームでは「縄文時代の暮らし」と「姨捨伝説」の2種類の映像が楽しめるんですが、絶対見てほしいです。
こういう博物館的な施設のムービーって適当というか、あまり力を入れて作っていな…ゲフンゲフンな作品が多いんですが、歴史資料館のムービーは想像を超えて楽しめる力作でした。
僕もそれほど期待せず、「一応見てみるか」的な気持ちで流したんですが、最後までしっかりと見てしまいました。
ツッコミどころもあるんですが、逆を言えばツッコみしたくなるくらいの出来です。
歴史資料館に寄ったら展示物はもちろん、ムービーもぜひ見ていってください。
もうひとつ、さらしなの里をネット検索するときは必ず「古代体験パーク」「歴史資料館」もつけて検索してください。
「さらしなの里」だけだと、同名の飲食店がいくつかヒットして迷います。
さらしなの里以外にもいろいろ見て回りたい方は、以下の千曲観光局ウェブサイトも参考にしてください。
千曲市には、さらしなの里以外にも楽しめる場所、見るべき場所がたくさんあります。しっかり調べて回れば、もっと千曲市の観光が楽しめるはずです。
さらしなの里 古代体験パークを散策
駐車場に車を停め、公園へ向かうとすぐに竪穴住居らしき建物が見えてきます。
竪穴住居は小学校の授業で習ったと思いますが、実際に見たことがあるという方は少ないと思います。
もしくは、子供の頃見たけどもう忘れてしまったとか。
そんな憧れ(?)の竪穴住居がすぐ目の前です。
ちなみに、昔「竪穴式住居」で習った方も多いと思いますが、現在では「竪穴住居」と呼ぶのが一般的だそうです。
竪穴住居は、今から約1万2000年前~紀元前5世紀くらいの「縄文時代~弥生時代」に作られていた住居です。
地面を掘って半地下にした場所に、床と柱と屋根を作った簡素な住居ですが、「少ない材料と人数でも簡単に建てられる」「保温性が高く、夏涼しく冬温かい」など数多くのメリットがありました。
一方で湿気に弱くカビが発生しやすい点や、虫や動物の侵入を防げない(でしょうね)点に悩まされていたそうです。
さらしなの里にある竪穴住居は、見るだけじゃなく実際に触ったり中に入れます。
中に入ると、「意外と作りがしっかりしている」と思いました。
簡素とか質素には間違いないんですが、どっしりとした安心感・安定感があります。
防犯対策で扉付けてくれれば、一晩くらい過ごせそうな気もします。(気がするだけ)
ただ、当然狭いです。
ここに家族4~5人が住んでいたらしいので、プライベートなんてまったくありません。
というか、どうやってそれだけの人数が寝るんでしょうね?
開けっぱなしなので防犯性能も皆無です。
闇バイトの強盗や空き巣とか来たら防げません。
冗談はさておき、敵とか野生動物はいたと思うんですが、襲撃にはどう備えていたんでしょうね?
これだけの住居が作れるなら、扉を作れる人がいても不思議じゃないんですが。
竪穴住居のほか、高床住居もあります。割と近代感がありますが、実はこの高床住居も縄文時代には作られていました。
縄文時代は長かったので、何回か建築革新もありそうですよね。
高床住居は集落の首長の住居や食糧庫、つまり「大事な人・物を守るための建物」として作られました。
竪穴住居と違い湿気や水害に強く、虫やネズミなどの侵入にも強いです。
一方で「出入りが大変」「耐震性は弱い」など、住居として快適かどうかには疑問符が付きます。
最初楽しかった二段ベッドが、だんだん面倒になってくるあの現象です
この高床住居の裏側には木のはしごがあり、実際に登れます。
古代の人たちの面倒や苦労を体験してみましょう。
ただし、木のはしごは割と急角度&高いのでお子さんや年配の方は気を付けて登ってください。
こちらも昔は「高床式住居」と言っていましたが、現在では「高床住居」が一般的な呼称です。
登った後も床の丸太が動いて若干スリリングです。
って言うか…
( ゚Д゚)(…狭くね?)
竪穴住居に比べても、さらに狭く感じます。
食糧庫としても住居としても微妙な気が…。
一人暮らしなら快適そうですが。
さらしなの里 古代体験パークには、複数の竪穴住居があります。
それぞれ作りが若干違うらしいので、暇…じゃなくて時間のある方は細かく調べてもいいかもしれませんね。
気に入った間取りの住居を探してみては?
まあ、全部間取りは1Rですけど…
住居のあるスペースの周りは公園として整備されているので、天気のいい日はのんびり散策に最適。
遊歩道から住居を見ると、まるで縄文時代にタイムスリップしたような気分になれます。
鯉が泳ぐ綺麗な池もあります。
おそらく休日に来てもそう人は多くないはず(失礼)なので、落ち着いた雰囲気の中でのんびりできます。
さらしなの里 歴史資料館を見学
さらしなの里 歴史資料館の場所は、古代体験パークのすぐ横です。
さらしなの里 歴史資料館の入館料は「大人300円/高校生150円/中学生以下無料」で、各種体験には別途料金がかかります。
体験 | 料金 |
火起こし体験 | 500円 |
飾り玉作り | 200円~500円 作るタイプによる |
世界の民族楽器演奏 | 無料 |
縄文人変装グッズ | 無料 |
矢じり作り(要予約) | 500円 |
千曲市の情報から引用しましたが、ちょっと情報が古…最新じゃないかもしれません。
なんとなくですが、更新されていないような感じがしました。
ずっと情報が変わっていないだけかもしれませんが、ひょっとしたら体験の種類や料金が変わっている可能性があります。
不安な方は問い合わせてみてください。
歴史資料館の入り口には、民俗楽器や石で作られた楽器、黒曜石が展示されています。
楽器は実際に鳴らせます。
古代の人たちが矢じりや武器に使用した黒曜石も展示されています。
黒曜石(英語名:オブシディアン)とは黒い外見が特徴の火山岩で、割ると鋭い刃物のような断面になることから古代ではナイフや矢じりとして使用されていました。
現代では、魔除け・積極性や精神性を高めるパワーストーンとして人気があります。
入館料はこちらの受付で料金を支払います。
受付横では、ここでしか買えないオリジナルグッズが売っています。
なんというか…良くも悪くもじわじわ来るグッズが多いので、ぜひじっくり見てください。
歴史資料館内部は、右側が展示室、左奥がミニシアタールームとなっています。
展示室の中は意外と広く、ずらりと古代の展示品が並べられています。
展示物と解説すべて、しっかり見ていくとけっこう時間がかかりそうです。
鹿のはく製です。
近くに熊のはく製もありましたが、薄暗い室内で黒い物体を撮影するのは非常に難易度が高いので諦めました。
イノシシの頭蓋骨。
壁には、縄文時代の生活の様子を解説が展示されています。
人によって興味のあるポイントは変わると思いますが、僕は食生活の解説が面白くてかなり細かい部分まで読みました。
古代の人が秋に収穫して食べていたであろう木の実類。
栗とクルミはわかりますが、どんぐりも食べられるんですね。
調べたところ、どんぐりをすりつぶして粉状にして、肉などと混ぜて焼いたクッキーのようなものを食べていたそうです。
アクが強くアク抜きしないと食べられないどんぐりと、アクが少なく調理に適したどんぐりがあるそうです。
石器、いわゆる石オノです。
もはやモンハンの世界。
でも、冗談抜きでこれで生き物を倒していたのだと思います。
縄文時代のムラ(村)の様子。
だいたい5~7軒くらいの集落で一つの村が構成されていたそうです。
よそのムラと争いとかは無かったんでしょうか。
土器が多数展示されています。
土器は、簡単に言えば年度を練ってそのまま焼いた「素焼きの陶器」です。
年代が進むにつれ、外側に模様をつけるなどデザインが複雑になっています。
テーブルに置いてたら絶対倒しちゃいそうな、背の高いすり鉢形状の器が多いですね。
こちらは土偶。
土偶は、縄文時代に豊穣や出産祈願の呪術・祭事用の祭具です。
今でいう仏像に近いのではないでしょうか。
中でも土偶Of The土偶と言えば、教科書でもおなじみのこの「遮光器土偶」です。
そもそも遮光器って何よって話ですが、遮光器とは北に住むイヌイットが、雪に反射する光や、その光による目の障害「雪目」を防ぐために使用している伝統的なゴーグルです。
スノーゴーグルのようなものだと思ってもらえば。
イヌイットが使用する遮光器と、出土した土偶の目の形状がそっくりだったことからこのタイプの土偶を「遮光器土偶」と呼んでいます。
ゲームの女神〇生が好きな方には「アラハバキ」で通じます。
人の顔がデザインされた珍しい土器。
いったい何を考えてこんな怪しいデザインを作ったのか…
だってこういうことですよ?
古代の人の中にも「芸術は爆発だああああ!」みたいな方がいたのか…。
通路の奥には実際の土器が置いてあり、しかも実際に触れることができます。
なんというか…荒々しくて力強い感触ですが、器としては非常に頼りない。
絶対水漏れしそう。
一番奥にはミニシアタールームがあり、縄文時代の生活の様子を表したアニメと、姨捨伝説に関するアニメを見られます。
先述しましたが、このムービーが結構クオリティが高いんです。
こういう施設の映像ってつまらな…簡素なものが多いんですが、ここの映像は必見。
最初、あまり期待せず半笑いで見始めたんですが、所々ツッコミながらも結局最後までしっかり見てしまいました。
ネタバレになるので詳しくは言いませんが、縄文時代の映像の最後に、
( ゚Д゚)「オトウーーーーッ!」
と、叫びそうになりました。
涙なしでは見られない(はちょっと言い過ぎですが)大作です。ぜひご覧ください。
というわけで今回、さらしなの里を紹介しました。
ちょっと変わった公園と、大人も子供も楽しめる資料館があり、年齢性別問わず遊べる場所です。
はっきり言って地味です。
でも、来てみれば皆さんが想像している以上に楽しいというか、遊べます。
縄文時代に興味がある方も無い方も、騙されたと思って一度訪れてみてください。
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