戸隠神社はあの有名な神話「天岩戸開き神話」ゆかりの地で、諏訪の諏訪大社と並び長野県最強のパワースポットとして知られています。
そんな戸隠神社ですが、実は霊山戸隠山の麓にある5つの神社の総称です。
- 奥社(御祭神:天手力雄命)
- 中社(御祭神:天八意思兼命)
- 宝光社(御祭神:天表春命)
- 九頭龍社(御祭神:九頭龍大神)
- 火之御子社(御祭神:天鈿女命)
今回紹介する「奥社」「九頭龍社」の2社は、5社の中でもっとも奥にあり、美しく壮大な景色が楽しめる神社です。
「奥社」「九頭龍社」はほぼ同じ場所にあるので、一緒に参拝できますよ。
天岩戸と言えば、身内のゴタゴタで拗ねて岩の奥に隠れちゃった神様を楽しそうな宴会で引っ張り出すあの話です。
平安時代には、「天台密教」「真言密教」「神道」が習合した神仏混淆の寺として、あの有名な比叡山、高野山と共に「三千坊三山」と呼ばれ多くの修験者たちが修行に訪れたそうです。
とまあ、難しい話は観光協会や公式サイト様に任せるとして、そんな難しい話や歴史を知らなくても、戸隠神社は単純に美しい風景や景色が楽しめる観光スポットとしてもおすすめです。
信心深い方もそうでない方も絶対に楽しめる場所なので、ぜひ一度訪れてみてください。
なお、冒頭でなんとなく察したかと思いますが、この記事には信心深い人や関係者から怒られそうな表現がちょいちょい出てきます。
ただ、決して神様や神聖なものを馬鹿にする意図はなく、詳しくない方にも戸隠神社や神様を身近に感じてもらおうとする努力の結果です。
あまりに目に余る表現があった場合を除き、神様のような寛大な心でご一読ください。
長野市戸隠地区と戸隠神社 奥社・九頭龍社の情報
戸隠は長野市の北部にある地区で、戸隠と言えば「そば」「登山」「戸隠神社」が全国的に有名です。
冒頭でも紹介しましたが、戸隠神社は5社あります。その中でも最も有名なのが、「中社」と「奥社」です。
「戸隠神社へ遊びに行く」と言えば、だいたい中社を指します。中社の駐車場(ダジャレ…)付近には、宿坊やそばの名店が数多く並び、毎日観光客で賑わっています。
ちなみに、戸隠神社中社付近にあるおそばや屋さんはどこも絶品ですが、個人的な一押しは「双葉屋 葉隠」です。
そばは風味豊かで、いままで食べてきたそばの概念がひっくり返るほどのおいしさ。そばだけじゃなく、天ぷらも絶品なので戸隠に訪れたらぜひ味わってください。
…とまあ、中社はこんな感じの場所です。戸隠神社に初めて訪れるなら中社がいいかもしれません。
今回紹介する戸隠神社の奥社と九頭龍社は、中社よりさらに奥へ行った場所にある、まさしく奥社です。
奥社参道口から約2kmの道のりを歩き、奥社本殿と九頭龍社を目指します。無数の杉で囲まれた美しい道は、さまざまな本やサイトにも取り上げられている名所です。
景色などを楽しみつつ、参拝とハイキングを兼ねた散策が楽しめます。
ちょっと不適切というか不謹慎な言い方ですが、戸隠神社の中社は、そばを食べたりお土産物屋さんを巡ったりする「エンタメ性の高い神社」。
一方で、奥社・九頭龍社は参拝や散策メインの「大人のための神社」だと僕は思います。
要は「それぞれ楽しめる雰囲気が違うので、好きな方、ってか両方行こうぜ!」という話です。
5社巡るつもりの方はもちろん、そうでない方も、ちょっと早起きして中社と奥社両方楽しんでみてください。
中社も取材したかったんですが、今回中社がめちゃくちゃ混んでいたので、中社の記事はまた後日…
ゆるく読んでほしいので、この記事では歴史やご利益といった難しい話はあまりしません。(というよりできません)
なので、より詳しい情報を知りたい方は、戸隠神社の公式ウェブサイトをチェックしてください。
奥社・九頭龍社を楽しむためのポイント・注意事項
戸隠神社奥社・九頭龍社を楽しむためのポイントや注意事項です。
- 連休や紅葉の時期はとにかく混む
- 道のりはややハードなので動きやすい格好で
- 人が少ない時間帯に行く場合は熊対策必須
戸隠神社は観光シーズンの休日は激混みで、平日もそれなりに混む人気の観光地です。特に連休や紅葉シーズンになると、奥社・九頭龍社の駐車場に停められるかどうか怪しいレベルで混みます。
今回、どのくらい混むか知ってほしいので、あえて秋の3連休中日に取材してきました。
( ゚Д゚)(他のサイトにはない有益情報ですw)
人が多いのはデメリットばかりではありません。人が多いと、賑やかで楽しそうな雰囲気の中で参拝を楽しめますし、人の声が熊よけになって安全です。
一方で、人が多いと参拝に時間がかかりますし、なにより戸隠神社の魅力だと感じている方が多い「厳かな雰囲気」がぶち壊しになります。
…ぶち壊しは言い過ぎました。
でも雰囲気ぶち壊しです。
人が少ない戸隠神社奥社は、静かで静謐な雰囲気の中参拝できますが、人によっては少し怖いと感じてしまうかもしれません。言い方は不謹慎ですが、わかりやすく言えば心霊スポット的な雰囲気です。
そんな事情を考慮しつつ、来る時期や時間帯を考えてもらえたらと思います。
また、奥社の駐車場から奥社本殿までは約2kmあり、やや坂になっている箇所や階段もあるためそこそこしっかり歩きます。スニーカーなどの動きやすい靴や格好がおすすめです。
奥社参道口をくぐると飲み物も買えなくなるので、特に暑い季節は水やお茶もしっかりと買っておきましょう。
さあ!どれを買う( ゚Д゚)!?
どのボタンを押そうか迷いますね。
熊対策も必須です。
長野県はどこでもだいたい熊が出ますが、戸隠神社は完全に山の中にあるため、毎年何度か目撃情報があります。そのため、観光地の中でも比較的熊の出現率は高めです。
他の地域よりも詳細に書かれた熊注意の看板が物語っています。
早朝や夕方、人が少ない時間帯に行く方は熊よけ鈴やラジオを携帯するなど、熊対策を万全にしていきましょう。
出ないほうがおかしいくらい熊の生息地域です。つまりガチです。リアルガチ。
熊対策については別記事で書いています。詳しい熊対策を知りたい方は、以下の記事もぜひ読んでみてください。
関連記事:山に遊びに行く方や取材に行くライターさん必見!「熊」の生態や対策を調べてみた
また、戸隠神社の五社巡りする予定の方は、五社巡りを簡単にまとめた以下の記事もおすすめです。
関連記事:戸隠神社 五社巡りガイド!各神社の御利益やおすすめルートを紹介
戸隠神社奥社駐車場に到着!
中社を通り過ぎてしばらくすると、奥社の駐車場に到着します。
奥社付近の駐車場はほとんどが有料です。混んでいるときの臨時駐車場は、スタッフさんに直接駐車料金を支払うので、小銭や1,000円札を忘れずに。
駐車場のすぐそばに奥社の入り口があります。この辺りからすでにマイナスイオンがたっぷり降り注いで…漂って…とにかくたくさんある気がします。
ちなみにマイナスイオンは、森や滝の近くに発生する負の電荷を帯びた分子の集合体で、人体の生理作用を整え、自然治癒力の向上やアレルゲン物質の除去効果があるそうです。
つまり僕のような、自律神経失調症・花粉・鼻炎・副鼻腔炎持ちの人間にはぴったり!
全国の同じ症状で苦しんでいる同志諸君。ぜひこういう場所で深呼吸して、マイナスイオンをたっぷり吸いこんでいきましょう。
( ゚Д゚)「マイナスイオンは無料!」
奥社参道口の前にある「奥社前食堂なおすけ」では、そばなどの食事のほかソフトクリームも売っています。
奥社に行く前にしっかりと食事を済ませてもいいですし、名物の熊笹ソフトや揚げそばまんじゅうを買って軽くお腹を満たしてからでもOK。
写真奥に見える鳥居が参道の入り口、「奥社参道口」です。
戸隠神社奥社を散策
この奥社参道口からスタートです。くぐる前に会釈をしてから入りましょう。
残念ながら、ペットは入れません。抱えても、肩に乗せてもダメだそうです。
奥社参道口の鳥居を進むと、1kmほど写真のような穏やかな道が続きます。道も平坦で特に危ない箇所もないので、景色を楽しみながらゆっくり進んでいきましょう。
天気の良い日は木漏れ日が降り注ぎ、歩くだけで体も心も浄化されるような清々しい気持ちになります。
奥社参道口から約1km、時間にして30分ほど歩くと随神門(ずいじんもん)に到着します。
距離的にはここで半分くらいです。ただ、この先登りになっていたり道が少し険しくなるので、ここからが本番、と思ったほうがいいかもしれません。
真っ赤な随身門は迫力があり、美しい門です。
随神門とは、邪悪な存在・不浄の存在が神域に侵入するのを防ぐため、左右に御門の守護神像を祀った門で、この随神門にも左右に像が祀られています。
守護像は、「随身(ずいじん)」「閽神 (かどもりのかみ) 」「看督長 (かどおさ)」「矢大臣・左大臣」などさまざまな呼び方があります。
昔の日本語って、読み方難しすぎません?
ふと屋根を見ると屋根にも草木が生えていて、ジブリっぽい世界観を醸し出しています。
随神門を過ぎると、パンフレットや観光協会の写真でもよく使われている、一番戸隠神社奥社っぽい道が現れます。
江戸時代に植えられたという、約130本の巨大なクマスギが並ぶその姿はまさに圧巻。
あまりのスギの大きさに、人が小さく見えてしまいまるでAIで作った合成写真のようです。
木漏れ日が差し込むと、より一層神聖で美しい景色と雰囲気になります。
このあたりから、少しずつ道に角度がついてきます。歩くのが辛いほどではありませんが、ゆっくり進んでいきましょう。
道が狭くなってきたせいか、人の量も増えてきました。
数多くのスギが並ぶ中、一つだけしめ縄が張られ、大きな穴の開いた不思議なスギがあります。
これは、JR東日本のCM「大人の休日倶楽部」で吉永小百合さんが中に入ったスギです。
昔は吉永小百合さんと同じように入って撮影できたそうですが、いまは禁止になっています。前に立って撮影するのは問題ありません。
石の階段が見えてきたら、戸隠神社奥社はもうすぐです。
順調にいけば10分もかかりません。
( ゚Д゚)(順調に行けば…な。)
参道の途中、左に曲がる道があり、そのすぐ先に飯綱社(いいづなしゃ)があります。
飯綱社は、神仏習合の神である飯綱大明神(飯綱大権現)を祀った神社です。さまざまな神様が合体した特異な姿をしています。
飯縄法という、今でいう魔法のような不思議な力を授けてくれると信じられていたそうです。
飯綱権現は戦勝の神として、戦国時代から多くの方に信仰されてきました。有名な話では、上杉謙信公の兜の前立が、飯縄権現像になっています。
元の道に戻り、上を目指して進んでいくと左側に建物が見えてきます。
この建物は、御朱印やお守りの販売を行う戸隠神社の社務所です。
写真を見てもらうとわかると思いますが、この辺りから行列ができていて進みません。
3連休おそるべし…
木々の隙間から見える美しい山は戸隠山です。この参道には戸隠山への登山口もあり、戸隠山を登る人たちもこの道を通ります。
戸隠山は美しく登山者からも人気の山ですが、山の難易度を表すグレーディングでは上から2番目、つまり「かなりの上級者向け」に設定されています。
鎖を頼りにほぼ垂直に登る場所や、左右断崖絶壁の細い道を歩くナイフブリッジなど、個人的には絶対行きたくない(行けない)難所が多い山として有名です。
興味のある方は、YouTubeで「戸隠山 蟻の塔渡り」と検索してみてください。
参拝前に、社務所の近くにある手水舎で手を清めましょう。
社務所付近の写真ですが、行列ができていて某夢の国のアトラクション待ち状態です。
今回、紅葉シーズン直前の3連休ということもありこんな状態になっていますが、平日や通常の休日であればここまで混むことは無いので安心してください。
本殿に向かう階段の途中には戸隠神社5社の一つ、「九頭龍社(くずりゅうしゃ)」があります。
ここまで来て九頭龍社をスルーする選択肢はあり得ません。忘れず立ち寄っていきましょう。
九頭龍社のご利益は多岐に渡ります。
- 水の神
- 五穀豊穣
- 魔除け
- 縁結び
- 虫歯治癒
…
( ゚Д゚)(虫歯?)
なんでも、江戸時代に虫歯を患った男が九頭龍社に梨を供え、3年間梨断ちをして祈ったら虫歯が治ったとかなんとか…。
( ゚Д゚)(それって歯の神経が〇んだだけでは…)
虫歯の方は、九頭龍社に治癒をお願いするのもいいですが、同時に歯医者さんにもお願いしましょう。
数十分並び、ようやく戸隠神社の本殿に到着。
スマホの電波が通っていたおかげで、退屈せずに済みました。現代万歳。
doc○moは弱いですが一応電波通じました
戸隠神社奥社のご祭神は、天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)。
神話で、天照大神が天の岩戸に隠れた際、他の神様が外で宴会を開いたところ、天照大神がちょっと気になっちゃって岩戸を少し空けたのでその隙に、怪力で岩戸をこじ開けた神様が天手力雄命です。
天照大神様、可愛すぎません?
日本の神様は、いい意味で人間らしくて親しみやすい方が多いです。
そんな天手力雄命がご祭神の戸隠神社奥社は、力を司る神様だけあり開運・心願成就・五穀豊熟のほか、スポーツ必勝のご利益もあるそうです。
なお、「五穀豊穣」ではなく、「五穀豊熟」とのこと。まあ、意味はほぼ一緒です
ちなみに、神社参拝の作法は以下の通りです。
- 賽銭箱の前に立ったら会釈
- 真心のしるしとして、賽銭箱にお賽銭を入れる
- 二拝二拍手一拝の作法で拝礼
- 最後に会釈
僕は何回やっても覚えられません。
参拝を済ませたら、来た道を戻りましょう。
帰りは下りが続くため、人によっては膝にダメージがきます。
( ゚Д゚)(グルコサミンが欲しい!)
老後やらなんやら後々のことを考えて、ゆっくり戻るのがおすすめです。
季節にもよりますが、参拝を終えたらソフトクリームがおすすめ。甘くて冷たいソフトクリームを食べれば、参拝の疲れも吹き飛びます。
奥社参道口近くの奥社前食堂なおすけでは熊笹ソフト、駐車場近くにある奥社の茶屋ではそばソフトやシャインマスカットソフトといった、他ではあまり見ない珍しい味のソフトクリームを販売しています。
上記の写真は奥社の茶屋の高原バニラです。コーンじゃなくてワッフルコーンなのが、個人的にポイント高い。
ここは普通、珍しい熊笹味やシャインマスカット味を頼むべきだろ…と言うツッコミが聞こえてきそうですが
( ー`дー´)キリッ「バニラ味最高!」
というわけで、戸隠神社奥社参拝は終了です。
今回連休に訪れてしまったので、ちょっとにぎやかな写真ばかりになってしまいましたが、普段はもっと静かな場所です。
来る季節や時間帯によって雰囲気が変わるため、何度来てもその都度違った景色や雰囲気が楽しめると思います。
なお、奥社駐車場の近くには、戸隠流忍者について学べる戸隠民俗館・戸隠流忍法資料館や、子供も大人も忍者気分になって一日中楽しめる「チビッ子忍者村」など、遊べるスポットがたくさんあります。
時間に余裕があればぜひ立ち寄ってみてください。
戸隠民俗館・戸隠流忍法資料館については一緒に取材してきましたので、以下の記事を読んでみてください。