米子大瀑布(よなこだいばくふ)は、長野県須坂市にある四阿山(あずまやさん)から流れる「不動滝」「権現滝」、2つの滝からなる瀑布の総称です。
落差89mの不動滝、落差82mの権現滝、2つの豪快な滝が一度に見られる非常に珍しい滝として知られており、日本の滝100選にも指定されています。
不動滝はその名の通り不動明王そのものとされ、修験者の間では別名「大瀧」、「白竜の瀧」とも呼ばれています。
一方で権現滝の別名は、救済を与える神「千手瀧」「黒龍の瀧」。
この2つの瀧で「双龍の瀧」とも呼ばれているそうです。
さらに不動滝と権現滝の周辺にある数十条の滝も含めて「米子瀑布群」と言い、国の名勝に指定されて…
…
情報が多い( ゚Д゚)!
ってか、総称とか別名とか二つ名が多すぎる( ゚Д゚)!
ちょっと簡単にまとめます。
- 米子大瀑布は「不動滝」「権現滝」2つの滝の総称
- 日本の滝100選で、国の名勝地
- 豪快な2つの滝が一度に見られる珍しい場所
- 「不動滝」「権現滝」はどちらも神様の滝として信仰の対象
- 2つの滝以外にも滝があり、包括して「米子瀑布群」と呼ぶ
もっとざっくりまとめると、「2つの豪快でありがたい滝が一度に見られる自然豊かな景勝地」です。
…いろいろ調べたら疲れた。
ちなみに僕は、「米子大瀑布」だから「米子滝」があるんじゃないか…と思ってましたが、米子滝はありません。
米子大瀑布は、2つの滝以外にも素晴らしい景色が楽しめます。滝が好きな方はもちろん、ハイキングや自然豊かな山道を散策するのが好きな方にもピッタリ。
紅葉の季節が最高なのですが、それ以外の季節に来ても、その季節ならではの美しい風景や植物が見られます。
今回は、そんな手軽に大自然が楽しめる米子大瀑布を写真多めで紹介します。
…
ごめん、手軽に大自然が楽しめるは嘘です。ちょっとハードな運動になると思います。その理由も含めて紹介しますね。
なお、読みやすさとか全部無視でひたすら書きたいこと書いてしまったので、約1万文字と短編小説か!とツッコミ受けそうなくらい無駄に長いです。
暇なときにゆっくり読むなり、適当に読み進めて写真だけ見るなり好きな楽しみ方をしてください。
須坂市の情報
須坂市は長野県北部にある市で、江戸時代には商取引が盛んな商売の町、そして明治から昭和にかけては製糸業で栄えた街です。
市街地には今も残る蔵を生かした博物館や美術館があり、一方で公園や動物園など自然・生き物を楽しめる施設も充実しています。
さらに今回紹介する米子大瀑布や、北アルプスが一望できる峰の原高原など、壮大な自然を楽しめる名勝地・景勝地も多数。
2025年には、須坂長野東ICの近くに大型のショッピングモールが完成予定で、観光面だけではなく生活面でもさらに人気が出そうなエリアです。
まあ、正直長野市民としては
( ゚Д゚)(おのれ須坂…っ!!)
みたいな感情がなくもないのですが…
※言ってる意味が分からない人は、YouTubeなどで「長野 須坂 イオン」と検索してみよう!
それはともかく、長野市からも近く楽しめる場所がたくさんある市なので、北信地域に住んでいる方にも、観光で長野県に来た方にもおすすめ。
より詳しい観光情報を知りたい方は、須坂市の観光協会ウェブサイトをチェックしてください。
米子大瀑布を楽しむための注意事項
米子大瀑布を楽しむために、最低限以下の3つを守ってください。
- 動きやすい格好&スニーカーかトレッキングブーツで
- 事前に水や軽食を買っておく
- できれば午前中から登り始めよう
個別に理由を解説します。
動きやすい格好&スニーカーかトレッキングブーツで
米子大瀑布は山道を2~3時間以上歩くので、最低でも歩きやすいスニーカー、できればトレッキングシューズの方がいいと思います。
服装は、虫や蛇対策に長袖・長ズボン。季節や時間帯によっては、マウンテンパーカーのような防寒着も必要です。
個人的には「若干ハードなハイキング」くらいの道のりだと思います。決して「ちょっと散歩しようかな」くらいの運動量じゃありません。
暖かい季節なら多少軽装でもいいかもしれませんが、あまりカジュアルすぎる格好ではいかないほうがいいでしょう。
ちなみに僕のこの日の恰好は、スニーカー・Tシャツ・カーディガン。
明らかに山を舐めてます。
( ゚Д゚)(だってこんなガチハイキングだと思わなかったんだもん…)
一方、他の人たちの服装は…例えるなら「全身モ〇ベル装備」です。
モ〇ハンで例えると、僕が〇ャンクック討伐前の装備で、他の人がリオレ〇ス討伐後の装備。
それくらい周りの方たちと服装に差がありました。まあ、この日は猛暑の10月だったので、結果的に多少軽装でも問題なかったんですが…
( ー`дー´)キリッ「山を舐めるな!」
と僕から強く言いたい。
どの口が言ってんだって話ですけれども。
次行く機会があれば(できれば遠慮したいが)、ちゃんとした格好で来ようと思いました。

僕のような犠牲者を出さないためにも、皆さんは必ず準備万端に!
事前に水や軽食を買っておく
米子大瀑布には、自動販売機やコンビニはありません。米子大瀑布の駐車場まで来てしまうと、本当に何もないです。
必ず街中で水や必要なものを買っておいてください。飲み物は多めに、できればおにぎりのような軽食もあると安心です。
一応、周遊道の頂上にある山荘でコーヒーは飲めますが、そこに行くまでに1時間以上山道を歩くので水を買い忘れると季節によっては命に関わります。

いざとなったら川の水飲めばいいじゃん。
とか思う人もいるかもしれませんが、米子大瀑布の滝や周辺に流れる川の成分は酸性で飲用には適しません。
透明度が高く一見非常に綺麗ですが、よく見れば、川底の石は水に含まれる鉄分や硫黄でしっかり茶色くなってますし、さらによく見ると川の中に魚やそのほかの生き物が見当たりません。
そうでなくても自然の川には何が含まれているかわかりませんので、できれば「遭難して死ぬか生きるかのギリギリ」くらいになるまで川の水は飲まないほうが良いでしょう。

ちなみにスマホの電波ですが、ド〇モは場所によってギリギリ入るか入らないか…くらいでした
できれば午前中から登り始めるのがおすすめ
米子大瀑布の周遊道は1周約3kmと距離は短いものの、山道なので思った以上に時間がかかります。
ゆっくり景色を楽しんだり、写真を撮ったりしたい場合は余裕をもって、3時間くらい見ておいた方がいいと思います。お子さんを連れてゆっくり進む場合も同様です。
また、できれば午前中のうちから登るのをおすすめします。理由は3つ。
一つ目は、山奥で日が落ちるのも早いので15時以降になると暗くなり始めて危険です。見たい景色も見られなくなるので、昼過ぎから登る場合は弾丸でさっと行ってさっと戻ってきた方がいいと思います。
2つ目の理由は熊対策です。熊は朝と夕方以降に活動が活発になるため、夕方近くに山道を歩くと遭遇リスクが格段に跳ね上がります。
どうしても朝早くや夕方の景色を見たい、写真に収めたいといった特別な理由がない限り、できれば午前中9時~10時くらいから登って、昼過ぎには下り始めるのがいいと思います。
3つ目の理由は、米子大瀑布を綺麗に撮影するなら午前中がベストです。北向きの絶壁にある滝なので、お昼くらいになると太陽が真上になったり逆光になったりして綺麗に撮影ができません。
これに関しては、上記の「まさに時間帯を間違えて、上手く撮影できなかった僕の写真」を見てもらえば、ものすごくよくわかると思います。
滝がまったく見えません。
まあ、これはこれで後光っぽくて…いやダメだろ。
熊対策に関しては、以下の記事でまとめていますので、米子大瀑布…というか山奥の観光地に行く方は目を通しておいてください。
関連記事:「熊」の生態や対策調査!山に遊びに行く方や取材に行くライターさん必見!
ちょっとわかりにくい長野市から米子大瀑布までのルート
長野市街地から米子大瀑布までの一番簡単なルートは、須坂市の国道406号を菅平方面に進み、「ファミリーマート 信州須坂亀倉店」が見えたら左に曲がります。
そのまままっすぐ進むと、やがて「12Km 米子大瀑布」の看板が見えるので、看板に従って右に曲がってください。
この道が「林道米子不動線」です。あとはこの道をひたすら30分ほど進めば、やがて米子大瀑布駐車場に着きます。
道はほぼ1本道ですが、狭い山道で一部わかりにくい箇所もあるので注意しながら進んでください。
ちなみに、「ファミリーマート 信州須坂亀倉店」が最後の買い物ポイントです。ここを過ぎると山道で何にも買えません。水や食料を買い忘れた方はここで必ず買っておいてください。
米子大瀑布の駐車場に向かうまでの道の途中にも綺麗な景色が見られます。道が狭いので、駐車して写真を撮影するときは、ほかの車に注意しましょう。
途中、広場みたいな場所があり、そこで10匹くらいのおサルさんが集会を開いてました。
もちろん野生の生き物なので、近づいたり食べ物をあげたりしてはいけません。写真を撮るときも必ず車の中から撮影しましょう。
米子大瀑布駐車場に到着!準備は万端に
山道を30分ほど走ると、米子大瀑布の駐車場に到着します。車が数十台停められる広い駐車場ですが、紅葉シーズンの休日には満車になることも珍しくないそうです。
米子大瀑布入口の手前には公衆トイレがあるので、絶対ここで済ませてください。当然ですが、ここから先、しばらくトイレはありません。

一応、頂上付近に公衆トイレがもう一つあります
ここが米子大瀑布の入口です。
近くには、長野県の観光地おなじみの「熊出没注意」の看板が。この辺りはガチで熊のテリトリーになっているので、クマよけ鈴やラジオの準備をしてください。人が少ない時間帯に移動する方は、特に念入りに対策しておきましょう。
入り口には、トレッキングポール(ストック)があります。体力に自信がない方や、必要な方は借りておきましょう。当然ですが、帰りには必ず元あった場所に戻してください。
米子大瀑布を巡るルートは2通り
駐車場から5分ほど歩くと、右に進む道と左に上がる道で分かれます。実は、米子大瀑布へ向かうルートは2通りあります。
こちらが駐車場にある地図です。要は「時計回り」か「反時計回りか」です。
この図の通り、どちらからでも不動滝と権現滝に行けますし、ぐるっと一周できるので、どっちのルートで進んでも問題ありません。
右ルート(反時計回り)は、不動滝と権現滝をそれぞれ間近で見られるルートです。
左ルート(時計回り)は、他のサイトや公式サイトの写真でよく見る代表的な景色、米子大瀑布の2つの滝が一度に見られるルートです。
ただ、周遊道をぐるっと一周すれば結局どちらの景色も見られますので、好みで決めてOKです。
あとから山荘の方に聞いた話ですが、多くの人はなんとなく順路っぽい雰囲気の反時計回りの右ルートを選ぶそうです。ただ、山荘の方のおすすめは左に上がっていくルートだそうです。
ちなみに、僕も順路っぽい右ルートを選んでしまいました…。なので今回は、右から行くルートで紹介します。
米子大瀑布を散策
ここからは、ずっとこんな景色が続きます。
マイナスイオンたっぷりで健康的な感じがしますが、茂みからなんか出てきそうで心臓に悪いのでプラマイゼロ。
人が少ないので、熊よけ鈴をぶん回しながら進みます。
途中にある大きな一枚岩は「雨宿岩」。その昔修験者がここで雨をしのいだと言われています。確かに人が入れそうな空間がありますが、危険なのでおすすめしません。
もしここの時点で雨が降ってきたら、駐車場まで戻ったほうがいいと思います。
少し進むと吊り橋が見えてきます。
ややワイルドな作りの吊り橋で、見た目通りけっこう揺れます。近くの注意書きにも「一人ずつ渡ること」と書いてあるので、素直に一人ずつ渡りましょう。
吊り橋の途中から見える景色も素敵です。
ただし、ゆっくり景色を楽しんだり写真を撮ったりするときは、次に待っている人がいないか確認してください。
吊り橋を渡ると、またしばらくもののけ姫のロケ地みたいな景色が続きます。
( ゚Д゚)「はりつめた~♪弓の~♪」
と、歌いながら進むと雰囲気も出ますし、熊よけにもなるのでおすすめ。
ただ、意外と近くに他の人がいたりするのでほどほどに。
地面は晴れていても湿っていることが多く、また急な坂道も多いので足を滑らせないよう注意して進みましょう。
長野県の景勝地ではおなじみの熊よけ鈴。人が多いときは熊もあまり近寄ってこないと思いますが、人がいないときはしっかりと鳴らしておきましょう。
道の途中、休憩用のベンチが置いてあるので疲れたら一休みしましょう。
まあ…
僕は、熊よけ鈴が標準装備されているような場所でのんびり休む勇気はありませんでしたけどね。
この辺りからさらに道が悪く、角度も急になってきます。
疲れてくると足を取られて滑ったり転倒しやすくなるので、1歩1歩ゆっくり進んでいきましょう。
不動滝の第一ビューポイントに到着
駐車場から歩いて20分ほどで、不動滝の第一ビューポイント(勝手に命名)に到着します。
ここでは、やや遠くからですが米子大瀑布を代表する滝の一つ「不動滝」が綺麗に見えます。
奥に見える、細くて美しい滝が不動滝です。ちょっと遠いのですが、後でもっと間近で見られますのでご安心を。
ちなみに、不動滝の「不動」は「不動明王」を表し、不動滝は滝そのものが不動明王のご神体とも言われています。
こちらが不動明王様です。
この辺りは、不動信仰のほか古くから白山信仰、熊野信仰山岳修験道の聖地としても知られ、修験者の禊の場となっています。
ちなみに「不動滝」と名のついた滝は全国に数百以上あります。密教や修験道では、滝に打たれて行う「滝行」という修業がありますが、滝行では不動明王の真言を唱えるケースが多いそうです。
こうした流行というか流れが全国にあり、その結果「修験者の滝行ができる修行場」に「不動滝」と名付けた結果、全国に乱立というか点在するようになったのではないか…と言われているようです。
僕なりに解釈すると、全国にいる修験者の方々が「不動明王の滝行ができる場所を不動滝と名付けよう!」って言ったら全国不動滝だらけになった…ということですかね。
なので、米子大瀑布の不動滝を調べるときは「須坂市 不動滝」「米子 不動滝」と検索してください。
話が長くなりましたが、そんなありがたい不動滝の動画も撮影しましたのでどうぞ。
柵とかはなく、行こうと思えばギリギリまで行けますが、足場が悪いので注意してください。
滝だけじゃなく、振り返った景色も綺麗です。ちなみに、遠くに見える岩は周遊すれば後で行けます。
まあ…
つまり、あそこまで歩くってことなんですけどね。
不動滝のビューポイントからちょっと進むと、橋が見えてきます。
昔バイトした工事現場の足場を思い出す、簡素でスリリングな橋です。
幸いなことに高さはないので、最悪崩落しても怪我くらいで済むと思います。
橋…というか足場を渡るとさらに急な坂道が続きます。この辺りから「落ちると痛そう」な個所も増えてくるので、より一層注意して進みましょう。
やや急な坂道が…(以下略)
落ちると痛そうな…(以下略)
おいしいコーヒーが飲める休憩場所「根子岳山荘」に到着!
不動滝のビューポイントから5分ほど歩くと、突然建物が見えてきます。
( ゚Д゚)(これは大丈夫な建物か…?)
何を言ってるかわからないと思いますが、大自然だらけの道を長時間歩いた先に人工の建物を見かけると一瞬、謎の恐怖を感じます。
ここは「根子岳山荘」と言って、山荘と名は付いていますが現在はカフェとして営業している休憩場所です。
米子大瀑布の全行程で言えば、ここが折り返し地点になります。まだまだ先は長いので、無理せずここで少し休憩していきましょう。
「OPEN」と書いてありますね。
最初、山荘って書いてあるし、宿泊施設だと思ってスルーするところでした。
根子岳山荘では、豆にこだわった本格的なブレンドコーヒーやカフェオレ、須坂市のケーキ屋さんが作ったおいしいケーキが堪能できます。
写真はカフェオレ。無糖なので甘くはありませんが、ミルクの甘さが疲れた体に染みわたります。
( ゚Д゚)ポリポリ(カシューナッツもうめえ)
山荘のスタッフさんは全員親切で、休憩中にいろいろな話を聞かせてくれました。以下は、今回教えていただいた情報です。
- 不動滝で滝行もできるよ
- 冬のツアーもおすすめ
- 紅葉の季節は混むけど絶対来てほしい
- 米子大瀑布は時計回りルートがおすすめ
- その昔、不動滝で罰当たりな行為して本当に罰が当たった方がいる
- 熊?普通にいるよ?
やっぱり濃い情報や活きた情報は、現地の方にお聞きするのが一番ですね。

なお、山荘にトイレはありません。
根子岳山荘の横には、「千葉成田の不動尊」「新潟の菅谷不動尊」と並ぶ日本三大不動尊の一つ、「米子不動尊奥之院」があります。
ただ…調べてみると日本三大不動尊ってけっこうバラバラなんですよね…「千葉成田の不動尊」は必ずランクインしてますが、他の2つは情報の出どころ次第でころころ変わってます。
まあ、日本三大不動尊であろうとなかろうと、ありがたさは変わりません。不動明王様に帰りの無事を祈っていきましょう。
近くには不動明王様が右手に持つ、魔を払い煩悩を断ち切るとされている三鈷剣(別名:俱利伽羅剣)が祀られています。
ぶっちゃけかっこいいです。男の子は間違いなくテンション上がります。
不動滝と権現滝を間近で見られるポイントに向かう
山荘や米子不動尊奥之院から少し登ると、不動滝と権現滝をそれぞれ一番近くで見られるポイントがあります。道は少し急ですが、両方回って10分ほどなのでぜひ進みましょう。
道には可愛い花が咲いていました。何の花だろうとGoogleレンズで検索したところ…
おそらくトリカブト(猛毒)です。
まあ、食べるわけではないので綺麗だな、でいいと思います。
ビューポイントを目指していると、霧で先が見えなくなりました。
さっきまで晴れていたのに…日頃の行いでしょうか?
それとも先ほど
( ゚Д゚)(日本三大不動尊ってけっこうバラバラじゃ~ん!ww)
とか言ったせいで罰が当たったのかも。
まあ、霧が罰だとしたら優しい神様です。
不動滝に到着しました。
わあ絶景( *´艸`)
何にも見えねえ( *´艸`)
ただ、山荘の方が『霧が出ててもすぐに晴れるケースも多い』と言っていたので、ちょっと待つことにします。
すると10分もしないうちに本当に晴れた…。「山の天気は変わりやすい」を身をもって体験しました。
不動滝には柵があり、通常は手前までしか行けません。
「通常は」と書いた理由は、例外で柵を超える方法があるからです。
不動滝で滝行をする方は柵を超えて滝の下まで行けます。もちろん滝行には許可が必要で、無許可で行ってはいけません。
滝行を希望する方は、上記の公式サイトより申し込んでください。
( ゚Д゚)(この人…丸山弁護士だ…)
ちなみに勝手に滝に入って罰当たりなことして本当に罰が当たった人もいるそうです。
何度でも言いますが、絶対無許可で入らないでください。
ここまでガチな滝行じゃなく、もう少しマイルドな滝行を希望する方は、麓にある米子瀧山不動寺の「不動滝・権現滝のご分身の2条の滝」でも滝行を行えるそうです。
米子大瀑布まで行く必要がなく、さらに年中滝行を体験できるそうなので興味のある方はぜひどうぞ。僕も機会があればやってみたいと思います。
ミストのような細くやわらかで、美しい流れが不動滝の特徴です。「落ちる」というより「降り注ぐ」が正しいかもしれません。
写真だとわかりにくいと思うので、動画でどうぞ。
滝も綺麗ですが、周りの荒々しい懸崖も見ごたえ抜群です。
不動滝の次は権現滝に向かいます。もうお馴染みの足場の悪い急な坂道を登っていきます。
道自体はここまで登ってこれた方なら問題ないと思いますが、道の左側はかなり高い崖です。足を滑らせて左側に落ちると確実に大けがするので、注意しながら歩いていきましょう。
不動滝から5分くらいで権現滝の案内看板が見えてきます。
右が権現滝のビューポイント、左は帰り道なので間違えないようにしてください。
案内看板に従って右に進むと柵があり、ちょっと遠くですが権現滝が見えます。
権現滝は不動滝に比べて水量が多く、ストレートに落下する滝らしい滝です。
こちらも動画でどうぞ。今回写真が多くて容量が厳しいので動画も短めですがご容赦を。
双眼鏡とかあると、もっときれいに滝が見えると思います。
権現滝を楽しんだら、道を下っていきます。しっかりとした階段があって、今までの土だの岩だのの道に比べるとマシに見えますね。
( ゚Д゚)(逆にあぶねえ…)
階段の木が湿ってて滑るし、急角度の下りなので踏み外しそうになるし…結局「気を付けて歩いてください」になるわけです。
権現滝から5分ほど下ると、先ほど立ち寄った山荘の裏手に出ます。写真の奥に、先ほど見た不動明王様の三鈷剣が見えますね。
ここで折り返す方、つまり来た道を戻りたい方はここから三鈷剣や山荘のある方へ向かい、来た道を下ってください。
ぐるっと周遊したい方は、三鈷剣や山荘のある方とは反対側に道があるのでそちらへ進みます。もちろん基本的には周遊がおすすめです。
ここからはまたしばらく山道が続きますが、道は意外と素直で景色も綺麗です。ちょっと気を抜いて、景色を楽しみながら歩いても問題なさそう。
橋から見える綺麗なミニ滝。奥にちいさな「ヒョングリ滝」が見えます。

ヒョングリとは、「跳ね上がる滝」の総称です
途中、映えスポットっぽい休憩場所があります。ベンチに座って休憩しても良いですが…
何度も言いますが、ここは熊のテリトリーです。
リラックスしすぎないように。
山荘から10分ほど歩くと、いきなり視界が開けます。
今までの鬱蒼とした薄暗い森が嘘だったかのように、牧歌的な景色と青空が広がっています。
個人的に、今回の取材で一番感動した瞬間です。
感動しすぎて何度も動画を撮ってしまいました。
この道では、先ほど巡ってきた不動滝(右)と権現滝(左)が同時に見られます。観光協会公式サイトや、個人のブログでも一番よく見かける構図です。
僕は逆光でうまく撮影できませんでした…すみません。本当はもっと綺麗です。
綺麗な写真を撮影したい方は、もっといいカメラを持って、朝早く来てください。滝に日が綺麗に当たるそうです。
ふと、不動滝を見ると滝行している方がいました。
あまりズームにすると失礼になるので、この距離でご容赦ください。
米子大瀑布の看板がありました。
絶好の撮影スポットなんですが…
( ゚Д゚)(逆光おおお!)
せっかくの滝が見えません。心の目で見てください。
少し進むと、広場のような場所があります。
ここは「米子硫黄鉱山跡」だそうです。昭和35年まで、この辺りでは硫黄の採掘が行われていました。第二次世界大戦時には1,500人ほどの方が生活しており、診療所や共同浴場、学校といった様々な施設があったそうです。
( ゚Д゚)(車出来ても大変なのに集落とな?)
昔の人ってすごいですよね。
それはさておき、現在ここは休憩にぴったりの広場になっています。この日も、多くの家族連れがレジャーシートを広げてお昼を楽しんでいました。
広場には…なんと…
トイレがあります( ゚Д゚)!
山の中のトイレって本当に助かりますよね…
ただ、このトイレは男女兼用なのでご注意を。
広場から見える不動滝と権現滝も綺麗ですが、遠くの景色も最高です。遠くに須坂市が見えます。
ここからまたしばらく山道になるので、トイレを済ませて広場でしっかり休憩してから行きましょう。
こちらから帰ります。
ちなみに、この道の先に米子大瀑布群の一つ「奇妙滝(きみょうたき)」に行ける道もあるんですが、現在崩落のために通行禁止になっています。
通行できるようになったら一度行ってこの記事に載せますね。(多分)
少し進むと、もう一か所「米子大瀑布」と書かれた木の看板が置いてある撮影スポットが見えてきます。ここからも不動滝と権現滝がよく見えます。
少し遠いですが、その分2つの滝を綺麗に収めて写真撮影ができそうです。
なお、ここが開けた場所の最終地点です。この先は駐車場までひたすら山の中を下ります。
ギリギリ道があるかどうかの笹だらけの道を下っていきます。
米子大瀑布で一番熊の襲撃を受けそうな雰囲気です。
かなり急な個所もあります。
「米子大瀑布で足を滑らせそうな場所ランキング」で言えば、確実にトップ3に入る足場の悪さと急角度です。
ちなみに駐車場から時計回りで登った場合、この急斜面を登る形になります。
米子大瀑布の最終撮影スポットから笹の道を20分ほど下ると、最初にどちらのルートを通るか迷った分岐点に出ます。
というわけで、今回は右から進んで周遊し、最終的に左側から下りてくるルートを通りました。もちろん山荘の方がおすすめするように、逆から米子大瀑布を目指しても構いません。
米子大瀑布は2本の滝も素晴らしいですが、なによりそこに行くまでの道、景色も楽しめる場所です。普段の生活では絶対見ることがない手つかずの自然を、比較的手軽&安全に楽しめます。
少し大変な道のりではありますが、「ハイキングよりも本格的で、登山よりも手軽に自然を楽しみたい」と思ったら米子大瀑布がおすすめです。
「こんなハードじゃなくて、もうちょっと手軽に滝を見たい」という方には、雷滝や苗名滝をおすすめします。以前取材して記事にしていますので、こちらもぜひ読んでみてください。