朝起きて、ふとこう思ったことありませんか?
『ああ…今日はなんだか過酷な山道を登って断崖絶壁にある懸造の観音堂が見てえや…』

そんな日ねえよ。
いや、まあ確かにあんまりないと思いますが、「ちょっと山に登って綺麗な景色を見たい」なんて日はありますよね。
そんなときはぜひ小諸市の布引観音(ぬのびきかんのん)へ行きましょう!

布引観音は、山の中の参道を片道約20~25分登った先にある美しいお寺です。
自然なままの参道も趣のある本堂も素晴らしいのですが、やはり布引観音と言えば崖に張り付くように建てられた真っ赤な観音堂でしょう。
そんな素晴らしい布引観音ですが、行くまでが少し大変です。
過酷というほどではありませんが、参道は足場も悪くてそれなりに大変ですし、中にはけっこう危険な個所もあります。

こんな感じの道をひたすら登ります。(裏ルートもありますがそれは後述します)
参道というより山道、参拝というより登山といった表現が正しいです。

ですが、参道の大自然、そして登りきった先にある観音堂の迫力と美しさは苦労に見合った感動を与えてくれます。
というわけで、今回は長野県小諸市にある布引観音を取材してきましたので、注意点や見どころを写真と動画多めで紹介します。
なお、今回思いつきでロクに下調べせずフラッと向かったせいで、けっこうひどい目に遭いました…(笑)
皆さんにはそんな思いをしてほしくないので、その辺もしっかり解説しますね。

「布引観音 釈尊寺」が正式名称ですが、長いので記事では布引観音で統一します。
布引観音 釈尊寺とは?過酷な参道の先にある絶景の寺

布引観音(ぬのびきかんのん)は、正式名称を「布引観音 釈尊寺」、または「天台宗布引山釈尊寺」と言い、信濃三十三観音霊場の第29番札所にもなっています。
開基(お寺が創建された日)は神亀元年(西暦724年)。
神亀(じんき/しんき)という年号を生まれて初めて聞きましたが、調べたところいわゆる奈良時代にあたるそうです。
布引観音と言えば、一番奥にある切り立った崖に建てられた懸造(かけづくり)の観音堂ですが、それ以外にも見どころはたくさんあります。
- 布引観音と言えばやっぱり「観音堂」
- 布が張り付いたような模様のある「布岩」
- 観音堂の重要文化財「宮殿(くうでん)」
- 探検気分を楽しめる自然のままの「参道」
- 点在する無数の「地蔵・仏像・社」
- 頂上から「絶景」
- 長野県宝「白山社社殿」

置物ですよ
例えば、こんな感じで木の穴の中にカエルの置物が隠されていたり、「どうしてこんなところに?」みたいな場所に小さな社や石像が無数にあります。
観音堂まで一直線に向かえば片道20分程度ですが、駆け足で登るなんてもったいないです。
ぜひ、のんびり散策しながらあちこちにある隠れコンテンツ(置物や石像)を探し、ゆっくり写真や動画を撮りながら布引観音を楽しんでください。
布引観音は「牛にひかれて善光寺参り」の発祥となった地

「牛にひかれて善光寺参り」
「思ってもみないことから物事が良い方向に進む」という善光寺にまつわる有名なことわざですが、実はこの言葉の発祥地は布引観音です。
簡単に説明すると、むかしこの辺りに欲張りで意地が悪く性格のひん曲がったおばあさん(言い過ぎ)がいました。
ある日、意地悪ばあさんが洗濯をしていると一匹の牛がおばあさんの大事な布(大事な布って何だろう…)を引っ掛けて、そのまま持って行ってしまいました。

画像はイメージです
大事な布(だから大事な布ってなんやねん)を取られて怒り心頭、殺意の波動に目覚めたおばあさんは必死で牛を追いかけます。
実はこの牛は観音様の化身で、追いかけてきたばあさんがふと我に返るとそこは長野市善光寺。
おばあさんはそこで悟りました。
(これは…観音様のお導きだったのでは!?)
その日以来、おばあさんは心を入れ替えたそうです。
…
…
牛を追いかけて、小諸市から長野市まで走った!?
ばあちゃんの健脚エピソードが強すぎて、ほかの話がまったく入ってこねえ…。

そこまでして取り返したかった大事な布ってなんやねん。
布引観音 釈尊寺の基本情報(参拝時間・御朱印・ペット同伴の可否など)
| 住所 | 〒384-0071 長野県小諸市大久保2250 |
| 電話番号 | 0267ー23ー0520 |
| 御本尊 | 聖観世音菩薩 |
| 御朱印 | あり(500円) |
| 授与所開所時間 | 無人 |
| 参拝時間 | 24時間 |
| 定休日(休務日) | 無休 |
| 駐車場 | 20台分あり |
| トイレ | 駐車場と本堂付近にあり |
| ペット同伴 | OK |
| 見学所要時間 | 1.5~2時間程度 |
| 公式サイト | 小諸市公式HP |

布引観音の御本尊は「聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)」。
長いので「聖観音(しょうかんのん)」と覚えてOKです。

社務所は基本無人で、御朱印もお金を入れて書置きを頂いていくスタイルです。
社務所に呼び鈴があるので住職様もいるとは思いますが、布引観音は基本的に「参拝は自己責任でどうぞご勝手に」的なラフスタイル。
なので、参拝も24時間365日可能っぽいですが、もちろん夜は絶対行ってはいけません。
心霊とか防犯とかそういう問題ではなく(それもありますが)、単純に「冗談抜きで命の保証ができないレベルで危険」だからです。
布引観音は山の中なので、昼過ぎもすぐに暗くなるため夕方以降の入山もおすすめしません。
時期にもよりますが、できれば午前中、遅くも14時までには登り始めたほうが良いと思います。

いいか、忠告したからな?

トイレは入口の駐車場に1個、登った先の釈尊寺本堂や大師堂付近に1個ありますが、駐車場のほうは冬季(12月~3月)は閉鎖されていました。
なので、布引観音に来る前にコンビニとかできっちり済ませておくか、布引観音駐車場の先にある「道の駅みまき」にあるトイレを利用しましょう。
道の駅みまきのトイレ、めっちゃ綺麗で使いやすいですよ。

ちなみに、道の駅といいつつトイレしかないのでお土産とかは買えません。
ペット同伴に関しては特に禁止されていないようです。
この日も、愛犬と一緒に登っている方が何人かいました。

ただ、道は険しいので小型犬とかは抱っこして登ったほうがいいと思います。
参拝にかかる所要時間は、普通に登れば片道20分程度、写真撮りながらゆっくり上ると45分程度です。

余裕を持って往復2時間くらい見ておくといいかも。
布引観音 釈尊寺へのアクセスと駐車場情報
小諸インターチェンジを降り、千曲川を渡って道沿いに進めば左側に布引観音駐車場が見えてきます。

駐車場は20台くらい停められますが、休日はこの通り意外と混んでいます。
参拝に時間がかかるので、回転率もあまり良くなさそうです。
なので、春や紅葉の季節は来る時間に注意しないと停められないかも。
なお、布引観音にナビを設定する場合は必ず…必ず…必ず「布引観音参道駐車場」で検索しましょう。

超大事な話なので、理由はこのあと詳しく説明します。
布引観音 釈尊寺参拝時の注意点
布引観音釈尊寺を参拝する際の注意事項をまとめました。
今回の注意事項はガチです。
最重要!ナビは必ず【布引観音参道駐車場】で検索!

布引観音に行く際にナビを使う人も多いと思いますが、絶対に「布引観音」で検索せず、必ず「布引観音参道駐車場」で検索してください。(特にGoogleMapの場合)
というのも、実は布引観音の参拝ルートは2種類あります。
- 一般参拝者用「駐車場から山を登る一般参拝ルート」
- 檀家さん専用の「激ヤバ山道&裏道ルート」
「布引観音」でナビを設定してしまうと、ナビによっては2の「檀家さん用の山道ルート」を案内されてしまいます。

はい、僕は最初こっち行ってしまいましたー…。

この檀家さん用ルート…「激狭」「道崩落」「道複雑」が揃ったかなりヤバい道です。
上記の写真はまだましな方で、写真を撮る余裕もないくらい遭難&身の危険を感じる道もありました。
雪の日に行っていたら、たぶん僕はもうこの世にいなかったかもしれません。
…というのはさすがに大げさですが、雪があったらけっこうな確率で詰んでいた可能性はあると思います。

布引観音に向かう途中、「ギャラリーてずくな樂」「氷風穴」や、この先にある「布引温泉こもろ」「あぐりの湯こもろ」を見かけたら、完全に檀家ルートに乗ってしまっています。
あえて檀家さんルートで行こうと思っている方以外はすぐに引き返してください。

僕は気付くのが遅れてしまい、終点まで来てしまいました…。
失敗と言えば失敗なのですが、そのおかげで皆さんに注意喚起ができるので結果オーライ。

俺の屍を超えていけ。

先ほどの看板から数分進むと、釈尊寺の大師堂や本堂がある場所に出ます。
ただ、こっちの檀家さんルートは確かに道はひどいんですが、到着さえしてしまえばいきなり本堂や観音堂のある場所に出るというメリットがあります。
つまり、一般駐車場からの過酷な山登りをせずショートカットできるわけです。
足が悪い方など、山登りが難しい方はあえてこちらを利用するのも良いと思います。
狭い道もいきなり通ると冷や汗ものですが、あらかじめ分かっていて覚悟を決めて行けば何とかなります。
雪がない時期でコンパクトな車やバイクで慎重に運転すれば問題ありません。

もちろん僕は絶対二度とこの道を通りません。(決意のまなざし)
転倒!転落!滑落!熊!蛇!とにかく季節ごとに諸々注意!

布引観音釈尊寺は危険がいっぱいです。
本堂や観音堂へ向かう参道は一応整備されている(ような気がする)程度の自然の良さを活かした道です。

- 足を踏み外すとケガをする(ほとんどの場所)
- 足を踏み外すと大ケガをする(数か所)
- 足を踏み外すと助からない(観音堂とか)
こんな場所ばかりです。

特に、観音堂から落ちたらマンション6~7階分くらいの高さから落下するので、まず助かりません。


(しかも観音堂の柵…倒れ込むとおそらくそのまま足に引っかかって、体を持って行かれるような、絶妙な高さなんだよな…)
滑落や落下以外にも、春先はまだ道が凍っていたり、暖かい時期は熊や蜂のリスクもあります。
- スニーカーや長袖など、軽登山の格好をしていく
- 熊や蜂対策グッズを持って行く
- 参道や観音堂でふざけたり気を抜かない
必ず上記の点を守ってください。

お寺の参拝というより、ちょっとしたハイキングや登山くらいの気持ちで行ってください。
長野県の観光地には熊対策グッズが必須
長野県の観光地は山の中が多いので熊に注意…っていうか、街中でも普通に熊が出ます。
なので、布引観音 釈尊寺に限らず熊鈴はマストで準備しておき、できれば熊スプレーも準備しておきましょう。
熊鈴は、音が大きく遠くまで聞こえる真鍮製の大型鈴がおすすめです。
消音機能付きであれば、山に入るまでの間は音が鳴らないようにできるので使いやすいと思います。
熊スプレーは、高価ですができるだけ成分の強いもの、実績があるものがおすすめです。
5,000円くらいで売られているスプレーは忌避効果、つまり近づけない効果がメインで、いざ遭遇した時の撃退用としては心もとない成分のものが多いらしい。
どちらも持ってはいるものの、実際に使ったことがないので「らしい」としか言えませんが。
命に関わるものなので、ケチらずできるだけ良いものを選んでください。
布引観音 釈尊寺へ向かって参道登山…じゃなくて散策!
まずは布引観音の参道を紹介していきます。
公式サイトにしっかりとした地図が載っていますが、皆さんに僕の優しさ・温もり・真心その他諸々を伝えたかったので、あえて手作りの地図を作りました。(余計なお世話)

駐車場から観音堂までの位置関係はこんな感じになっています。
この適当な地図を参考に、各見どころの位置関係を確認しながら登って行ってください。
駐車場~参道入り口:トイレと水分補給を済ませて出発!

この入口から布引観音へ向かっていきます。
冬に来たので少し殺風景ですがご容赦を。

その分空気が澄んでいて、頂上からの景色は綺麗でした。
険しい参道:足元に注意して慎重に進む

いきなり圧倒されるような巨岩と、2つの小さな滝が連続している「布引二段滝」が現れました。
自然の中にあるお寺なので、あちこちでこういった自然の芸術品が見れらます。
ただ、キョロキョロするときは必ず立ち止まってから。
道中は柵のない崖も多い…というかほとんどそんな感じなので、歩きながらきょろきょろすると足を踏み外しますよ。

寒い日が続いていたのか、布引二段滝は綺麗な氷瀑になっていました。
本来の滝の姿も見て見たかったですが、これはこれでレアな映像ですね。
この美しさを皆さんと共有したいと思ったので、布引二段滝を動画で撮ってきました。
こんな感じで、布引観音はいつ来てもその季節ならではの美しさがあるんです。

道は…こんな感じです。
『柵?整備?安全?ナニソレ?』みたいな道が続きます。
険しいし角度もありますが、距離的にはそこまで長くはないので頑張って登って行きましょう。
牛岩・善光寺穴・不動滝:参道の見どころ一挙紹介!
布引二段滝から少し歩くと、「牛岩」が見えてきます。

写真の上部、ちょうど看板の上あたりの黒い部分をよく見ると、岩肌の凸凹と模様がまるで伏せている牛のように浮かび上がっています。
…わかります?
脳トレだと思って目を凝らしてみてください。

こちらは、長野市の善光寺までつながっていると言われている「善光寺穴」。
昔、善光寺が火事に遭った際にこの穴から煙が出たとか出ないとか…
そんなわけねえだろ!と思わず心の声が漏れそうになりましたが、事実は小説よりも奇なり、ということもあるのかもしれません。
ただ、僕はこの説に懐疑的です。(笑)

健脚ばあちゃんのときも思いましたが、昔の人は長野市と小諸市の距離を甘く見積もってませんか?

岩の上に不動尊(不動明王像)が安置されていることから名づけられた「不動滝」。
もともと水量が少ないようで、この日は1滴も流れていませんでした。
ただ、そのおかげで滝の奥にある誰かが積んだであろう石、自然に入ったのか誰かが入れたのかはわかりませんが、穴の中に積まれた石といった珍しい光景が見られました。
仁王門付近:本堂や観音堂まであと一息!
駐車場から15分ほど歩くと、石階段と仁王門が見えてきます。
先ほどまでの鬱蒼とした薄暗い雰囲気から一変、頂上や本堂が近いので光が多く降り注ぎ、非常に神々しい光景です。

仁王門とは、お寺に悪いものが入らないよう仁王像(金剛力士像)を安置した門のことです。
左右にそれぞれ仁王像が安置されています。
撮影しようと思ったんですが…階段が凍っててツルツルだったので断念。

このブログの更新を楽しみにしているファン(いるかどうかわからんけど)のためにも、安全第一を心がけています!

仁王門まで来ればあと一息、2~3分歩けば本堂が見えてきます。
本堂~観音堂到着!最後まで気を抜かない

本堂に到着しました。

本堂からは最終目的地、真っ赤な観音堂が見えます。
ここから観音堂までもう少し歩きますが、道は平坦なので安心してください。
さっそく観音堂へ…と行きたいところですが、本堂付近にも見どころがたくさんあるので慌てずゆっくり見ていきましょう。

このイケメン銅像は、釈尊寺の由来ともなっている「釈迦如来(お釈迦様)」です。

御本尊は聖観音なのに釈迦如来像があるとはこれ如何に?

階段の上にも石像が。
布引観音はわかりやすい場所から、普通は絶対気づかないような場所まであちこちに石像やお社があります。
こういった隠れコンテンツを探すのも布引観音の楽しみ方です。

もちろんほかの神社仏閣にも言えることですが
社務所と御朱印:見落としやすい場所にあるので注意

本堂の左側、見えにくい場所に社務所があるので、お守りや御朱印をもらいたい方は注意しましょう。
本堂に到着して、そのまま観音堂に向かうと見落とします。

御朱印を頂きました。
御朱印と一緒に、牛追い伝説について書かれた紙ももらえます。
さっき僕が作ったイラストとほぼ同じ絵ですね。
なお、この日は見当たりませんでしたが、時期や日によっては社務所周辺にお寺の猫ちゃんたちが散歩しているそうです。
訪れた方はぜひ探してみてください。

社務所の奥、つまり観音堂とは反対側の道を進むと「大師堂」とトイレがあります。
大師堂も懸造で見ごたえがあるので、見落とさないように。
大師堂の中までは行けないようなので、見たら観音堂側へ引き返しましょう。

注意事項で触れた「檀家さん専用裏ルート」を進むと、最終的にこの場所へ出ます。
聖観世音菩薩:観音像・観音堂・浅間山が一望できる最高のフォトスポット

本堂付近には聖観音像があり、この場所からは観音像・観音堂・浅間山・空が見える絶好の撮影スポットとなっています。
いわゆる「誰もが写真を撮る定番撮影スポット」です。
定番を撮影するのは悔しいんですが、やっぱり綺麗なので撮ってしまう…(笑)

聖観音様は、蓮の花と水差しを持ったもっとも人間に近いスタンダードな御姿の観音様です。
じゃあスタンダードじゃない観音様がいるかと言えば…いるんです。
- 無数の腕を持つ千手観音
- 馬の頭を持つ憤怒の表情の馬頭観音
- 頭部に11個の顔を持つ十一面観音
というか、むしろ観音様はスタンダードじゃない派生というか強化形態のほうが一般的です。
それはさておき、この素晴らしい景色を動画でもどうぞ。
護摩堂と牛の像:ある意味フォトスポット

聖観音から観音堂に向かう途中、護摩堂と「牛に引かれて善光寺参り」に出てくる牛の像があります。
護摩堂とは、護摩を焚いて祈祷を行なう仏堂のことです。

牛の像はちょっと「適当に設置した感」が否めませんが、それが逆にユニークというか可愛らしい感じになっています。
布引観音のマスコットキャラクターとも言うべき存在なので、ぜひ一緒に写真を撮りましょう。
観音堂:洞窟を通り、いざ本日のメインへ

護摩堂~観音堂までの間にも見どころがあります。
まずは完全に崖に埋めこまれた伽藍(がらん/寺院の建物全般を指す)と、岩をくり抜いて造られたトンネルです。
このトンネル、通る前と通った後の景色が本当に素晴らしいので、その美しさをぜひ動画でご覧ください。
この景色を見た瞬間、檀家さんルートに迷い込んだり、膝のグルコサミンを消費して山道を登ってきた苦労が報われました。

トンネルを抜ければ、観音堂は目の前です。
それにしても、崖にめり込んでいるというか、崖からせり出しているというか…とにかく見れば見るほど不思議な造りです。

手前の愛染明王堂なんか、せり出すどころか完全に埋まっています。
どうやって作ったのこれ…
それにしても、聖観音もお釈迦様も愛染明王もいて、賑やかなお寺だな。

やっと…やっと観音堂に着きました。
ここまで長かった…

観音堂に入る前に、観音堂を支える柱を見ておくのがおすすめ。

(こ…こんな頼りない木の柱で支えているのか…?)
と、お尻のあたりがムズムズというかゾワゾワして、さらにこのあと観音堂内部に入る際もスリルが倍増して楽しめ(?)ます。
ただ、これは懸造という釘を使わず木を組み上げる伝統的な造りで、見た目以上に耐久性抜群です。
京都の清水寺も同じ構造ですし、イナバ物置並みに100人乗っても大丈夫な造りになっているので、安心して観音堂に入ってください。

観音堂内部はこんな感じ。

中を覗くと、本尊である聖観音のほか、十一面観音、馬頭観音やそのほか仏像たちが納められています。
この左側に重要文化財の宮殿(くうでん)があるのですが…
すみません!
撮り忘れましたああああ!
一番大事な場所を撮影し忘れるとは…
これがお仕事の依頼だったら、もう一度撮り直しで登るところだったぞ…
というわけで、宮殿の写真は小諸観光局公式HPからお借りしました。

引用:小諸観光局公式HP(https://www.komoro-tour.jp/)
宮殿は1258年鎌倉時代に聖観音像の厨子(ずし/仏像や経典といった重要なものを入れる箱)として建立され、そのまま現在まで残っている非常に貴重なものです。

当時は観音像が入居していましたが、現在は空室となっています。
建築に地方的な未熟さがなく、詳細を記録した棟札(むなふだ/工事記録みたいなもの)が残っていることから歴史的に非常に貴重な建築物だそうです。
そのため、1936年に国宝に指定され、その後1950年に重要文化財に変更されました。
…
( ゚Д゚)(格下げ?逆じゃね?)
と思いましたが、調べてみると1950年に「文化財保護法」が施行され、従来の国宝はいったん重要文化財にリセットされたそうです。

現在指定されている国宝は、1950年の文化財保護法施行後に新たに指定された国宝ということになります。
つまり布引観音の宮殿は、「1950年に制定された国宝の新基準に達しなかった」という表現が正しいです。

と、全力擁護してみるものの、僕が布引観音だったらなんかモヤモヤします。
なお、公式サイトなどでは「1949年に重要文化財に変更」となっていますが、文化財保護法は1950年からなので誤記ではないかと個人的には思っています。
なのでこの記事では、宮殿は1950年に重要文化財になったと表記しています。

たまにはちゃんとしたライターらしい文章を書いてみました。(笑)

さて、案内の続きです。
こちらは善光寺などにもある、撫で仏とも言われる「びんずる尊者」。
体の悪い部分と同じ場所を撫でると痛みが和らいだり、良くなるそうです。
体のあちこちが痛いHIROおじさん、お賽銭を置き、その後エロおやじのようにびんずる様の全身を撫でまわしておきました。

ところで性格を直したいときはどこを撫でるんでしょうか…

観音堂の天井絵も忘れず見ておいてください。
これも見事です。

観音堂から見た本堂。
こうしてみると本当に山奥ですよね。
さて、見どころを一通り紹介したので、それを踏まえて全体動画をお楽しみください。
いつものことですが、ごっついブーツ履いているので音がうるさくてすみません。
なお、動画はすべてアクションカメラDJI OSMO Action4で撮影しています。
機種にもよりますが、スマホよりも綺麗な動画が撮れるので旅行好きの方はぜひ使ってみてください。
もちろん新しい6や5がおすすめですが、4でも十分綺麗な映像が撮影できます。
なにより型落ちで安いし。

なお、皆さんが気になっているであろう、観音堂の真下はこんな感じです。
眼下には、先ほど通った仁王門の屋根が見えます。
写真ではわかりにくいと思いますが、マジで足がすくむ高さです。
高さはもちろん、参拝者を守ろうという意思の希薄な柵の低さが気になる。
というわけで高さが分かりやすい動画をどうぞ。
覗き込む時は本当に注意してください。
人は落ちても回収してもらえますが、スマホやカメラを落としたら回収できないと思います。

と、冗談を言いましたが、人が落ちたら救助ではなく「回収作業」になる可能性が高いので、絶対落ちないでください。
なお、ここに来るまでに足や膝にダメージを負ったり、疲労が蓄積している方に悲報です。
( ゚Д゚)「山道は、登りよりも下り(帰り)の方が膝が辛いよ。」
まとめ:布引観音釈尊寺は、スリリングな参拝が楽しめるお寺!

今回は、小諸市にある布引観音釈尊寺を紹介しました。
皆さんに絶対ケガをしてほしくないので、注意事項や危険個所についてはちょっと大げさに書きました。
確かに危険な個所もあるんですが、過酷というほどの道のりでもないですし、登り切った先で見られる唯一無二の景色は最高です。
神社仏閣の中でも特に見ごたえのある場所だと思いますので、珍しいお寺を参拝したい方はぜひ布引観音に行ってみてください。
このブログでは、布引観音以外にも壮大で美しい懸造(懸造風を含む)のお寺や神社を紹介しています。
以下の記事もぜひ読んでみてください。
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