現在、長野県にある国宝は全部で10点です。
- 善光寺本堂(長野市)
- 仁科神明宮(大町市)
- 安楽寺八角三重塔(上田市)
- 大法寺三重塔(青木村)
- 松本城(松本市)
- 旧開智学校校舎(松本市)
- 土偶「縄文のビーナス」(茅野市)
- 土偶「仮面の女神」(茅野市)
- 白楽茶碗(銘 不二山)(諏訪市)
- 寒山図(可翁筆)(諏訪市)
そのうちいつでも見られる国宝が8点。
9と10の、白楽茶碗と寒山図(可翁筆)の2点は特別展などの機会がないと見られません。
このブログでは、いままで県内のいろいろな観光地を取材・紹介してきましたが、その中で8つの国宝も巡ってきました。
今回は、そんないままで取材してきた国宝をまとめて紹介します。
各紹介の最後には、実際に取材した際に書いた個別記事のリンクも貼っていますので、気になる国宝があったらぜひ詳しく解説した個別記事も読んでみてください。

また、国宝の定義やすごさについてもわかりやすく解説しているので、これを読めば国宝に詳しくなること間違いなしです。
- 県内の国宝は全部で8つ!国宝の定義・条件とは?
- 【長野市】善光寺本堂:絶対秘仏を擁する一生に一度の聖地
- 【松本市】松本城:当時のままの姿で残る漆黒の烏城
- 【松本市】旧開智学校:知れば知るほど楽しい擬洋風建築の学校
- 【大町市】仁科神明宮:格式最強!日本最古の神明造
- 【上田市】安楽寺 八角三重塔:日本でここにしかない八角の多重塔
- 【青木村】大法寺 三重塔:当時の最先端技術で建てた美しき見返りの塔
- 【茅野市】縄文のビーナス:完璧な状態で見つかった太古の美女土偶
- 【茅野市】仮面の女神:ミステリアスでアーティスティックな土偶
- 番外編【諏訪市】白楽茶碗・寒山図(可翁筆)
- まとめ:休日は、県内に散らばる8つの国宝を見に行こう!
県内の国宝は全部で8つ!国宝の定義・条件とは?

国宝紹介に移る前に、「そもそも国宝とは何ぞや?」とか、「国宝に選ばれる条件とは?」と疑問に思っている方も多いと思うので、簡単に解説します。
国宝は、実は「有形文化財⇒重要文化財⇒国宝」のランクアップ制です。
まず、価値のある文化財は「有形(もしくは無形)文化財」に登録されます。
現在国に認められた有形文化財は約28,000点。
この28,000点の中で、特に価値が高いと認められた約13,500点が「重要文化財」に指定されています。
つまり有形文化財のうち、約48%が重要文化財に指定されている計算です。

半分近いじゃん…意外と多いな…
この13,500点の重要文化財から、さらに価値が高いと認められたものが国宝です。
その数、いきなりガクっと少なくなって現在わずか約1,100点しかありません。
文化財全体(約28,000点)の約4%です。
4%がどれほどすごいのかを分かりやすく例えてみました。
- 日本の給与所得者のうち年収1,000万円~1,500万円の人
- 一般的なソシャゲでSSRが出る確率
つまり国宝は、文化財の中から選りすぐられたエリート中の超エリート。精鋭中の精鋭です。

- スポーツで言えば「オリンピック選手」
- 自衛隊で言えば「特殊作戦群・第1空挺団」
- 警察で言えば「SAT(特殊急襲部隊)」
- 救助隊で言えば「ハイパーレスキュー」
- 軍隊で言えばイギリスの「SAS」
- 鬼滅の刃で言えば「柱」
- BLEACHで言えば「護廷十三隊 隊長」
- ONE PIECEで言えば「海軍本部 大将」
- キングダムで言えば「秦の六大将軍」
例えるならこんな感じです。
…できる限りわかりやすい例えを並べてみましたが、わかってもらえましたかね?
では、そんな長野県の超エリート文化財である国宝を紹介します。
【長野市】善光寺本堂:絶対秘仏を擁する一生に一度の聖地

長野県が誇る国宝と言えば、やはり善光寺本堂です。
神社仏閣と言えば、「お年寄りがのんびりと参拝」みたいなイメージがありますが…
善光寺は表参道、仲見世通り、山門登楼、お戒壇巡りなど、年齢や性別問わず楽しめるため、毎日多くの参拝客でにぎわっています。
そして善光寺と言えば、七年に一度の御開帳時にしか拝観できない御本尊「一光三尊阿弥陀如来」ですが…
実は「本当の本尊」は絶対秘仏とされ、数百年間その姿を見た人はいません。
そんな楽しくてミステリアスな善光寺については、以下の記事でめっちゃ長々と解説しているので、ぜひ以下の記事を読んでみてください。

【松本市】松本城:当時のままの姿で残る漆黒の烏城


善光寺と並ぶ長野県の有名国宝が、松本市にある400年以上前に建てられた当時そのままの姿を残した松本城です。
松本城は、白の漆喰をベースに黒の漆塗りを施したその圧倒的な存在感から、通称「烏城(からすじょう)」とも呼ばれています。
天守に登れば松本市を360度見渡せる絶景、そしてお堀の周りではどの角度から撮っても絵になる美しい松本城。
運が良ければ、殿や姫、忍者に扮した「松本城おもてなし隊」にも会えるかも!?
メモリーカードが何GBあっても足りないくらい、撮影ポイントの多い観光スポットです。
以下の個別記事では、そんな美しい松本城の写真をたくさん載せています。ぜひ読んでみてください。


【松本市】旧開智学校:知れば知るほど楽しい擬洋風建築の学校

松本城のすぐそばにあるもう一つの国宝、それが旧開智学校です。
ぶっちゃけ、単なる「白くて綺麗な古い学校」なのですが、旧開智学校最大の特徴である「擬洋風建築」について知ると何十倍も楽しめます。
擬洋風建築とは、要は「神社仏閣を作る日本のプロが見よう見まねで建てた西洋の建物」です。
そのため、一見大変美しい建物なのに、ディティールを見れば見るほどツッコまずにいられません。(笑)
個別記事では、そんな美しく楽しい旧開智学校の写真や動画と一緒に、擬洋風建築についてもしっかりと解説しています。
ぜひ以下の記事を読んでからお出かけください。


【大町市】仁科神明宮:格式最強!日本最古の神明造


長野県大町市にある仁科神明宮は、日本最古の神社建築様式「神明造(しんめいづくり)」の神社です。
しかも、維持や保存が難しい神明造りの神社を当時の姿のまま400年近く残しています。
御祭神は、日本の神様の頂点に君臨する「天照皇大神(あまてらすおおみかみ)」。
難しい話が苦手な人は、「伊勢神宮クラスの超格式高い神社」だと、ざっくり理解してもらえたらOKです。
そんな仁科神明宮ですが、ちゃらちゃらした観光色の強いお寺や神社(どことは言いませんが)と違い、境内は静謐かつ神聖そのもの。
そんな神社オブ神社、仁科神明宮の場所や境内の様子については、以下の記事を参考にしてください。


【上田市】安楽寺 八角三重塔:日本でここにしかない八角の多重塔


国宝・八角三重塔は、上田市別所温泉の中にある安楽寺に建てられた日本に唯一現存する「八角」の三重塔です。
ほかの塔は四角形で「シャキーン!」としたものが多い中、この塔は非常に柔らかい雰囲気と、多重塔の中でも特に緻密に組まれた建築が素晴らしいと思います。
しかもこの八角三重塔は、国宝なのに紅葉シーズンでもない限り人は少なめで、景色を楽しみながらゆっくり見学できる点もおすすめポイントです。


松本城も善光寺も楽しいけど、とにかく混むから疲れるのよ!
と、ためらっている僕のような方は、まずこの八角三重塔から巡ってみませんか?


【青木村】大法寺 三重塔:当時の最先端技術で建てた美しき見返りの塔


国宝・大法寺の三重塔は長野県青木村にあります。
1333年に建てられたこの塔ですが、当時の流行発信地である西の都(大阪や京都)の一流大工がわざわざ信濃まで来て建てたそうです。
そのあまりの美しさから、訪れた人が何度も名残惜しそうに振り返ったため「見返りの塔」と呼ばれました。
先ほど紹介した安楽寺の八角三重塔同様、あまり人は多くなくゆっくりと散策できる国宝です。
他にも多くの重要文化財がありますし、また塔の近くにはカフェもあるので、のんびりと国宝を楽しんでみてはいかがでしょうか。


【茅野市】縄文のビーナス:完璧な状態で見つかった太古の美女土偶
縄文のビーナスは、今から約4000年から5000年前の縄文時代中期に作られた土偶で、現在は茅野市の尖石縄文考古館に保管されています。
お腹とお尻が大きく張り出した形で、妊娠した女性の様子を表しているそうです。
1995年に、土偶では初めて国宝に指定されました。
この土偶のすごいところは、「ほぼ完璧な状態で見つかったこと」です。
一般的に土偶は祭器のため、まじないの際にけがや病気の身代わりとして患部と同じ場所を壊すケースが多いそうですが、縄文のビーナスはほとんど破損のない綺麗な状態で見つかりました。
縄文のビーナスについては近日取材予定なので、個別記事が完成したらリンクを追記します。
【茅野市】仮面の女神:ミステリアスでアーティスティックな土偶
仮面の女神は、縄文のビーナスと同じ茅野市の尖石縄文考古館に保管されています。
名前の通り、逆三角形の仮面をつけたような「仮面土偶」、そして中身が空洞の「中空土偶」と呼ばれる土偶の一種で、体中に文様が刻まれているのが特徴です。
当時のお墓と思われる場所から意図的に右足を壊された状態で見つかっており、お墓に一緒に埋納された副葬品なのかもしれません。
国宝認定も縄文のビーナスよりだいぶあと、2014年(平成26年)に国宝に指定されました。
ちなみに、土偶は全国で数万点以上見つかっていますが、国宝に指定されているものは縄文のビーナスと仮面の女神を含めて全国に5点しかありません。
こちらも近日取材予定なので、個別記事が完成したらリンクを追記します。
番外編【諏訪市】白楽茶碗・寒山図(可翁筆)
長野県諏訪市のサンリツ服部美術館には、「白楽茶碗(銘 不二山)」と「寒山図(可翁筆)」という2つの国宝があります。
先ほどまで紹介したいつでも見られる8つの国宝と違い、白楽茶碗と寒山図は美術館内に収蔵されており、毎年期間限定で公開しているためいつでも見られるわけではありません。
また、公開時期になったとて写真撮影はできないので紹介しようがないんです。


当たり前だけど美術館はすべて撮影に厳しい…
なので個別解説記事とかは書けませんが、簡単に解説します。
白楽茶碗:純国産茶碗では数少ない国宝!


白楽茶碗は、17世紀に本阿弥光悦が焼いた茶碗です。
焼成時に偶然できたと言われる「上が白、下が黒」という姿が、雪を頂いた富士山に見えることから「不二山(ふじさん)」と名付けられました。
国宝の茶碗は日本に8つありますが、日本人が生み出した純国産茶碗で国宝指定されているのは、この白楽茶碗と、志野茶碗のわずか2つしかありません。
あとの6つは、なんでも鑑定団などでおなじみの「曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)」3点含む5点が中国製で、もう1点の「大井戸茶碗」が朝鮮製です。
寒山図(可翁筆):


寒山図(可翁筆)は、正式には「紙本墨画寒山図」と言います。
かなり題材がややこしいので簡単に説明しますが、要は「昔、中国のお寺にいた寒山という奇人を題材に、可翁という人が描いた作品」です。
可翁は鎌倉時代末期~南北朝時代にかけて活躍した画人で、謎の多い人物ですが日本の水墨画界におけるパイオニアと言われています。
つまりこの寒山図は、「日本の水墨画はこの絵から始まった」とも言える、歴史的に非常に貴重な一枚です。
通常はこの「寒山」と、同じくお寺にいた奇人「拾得」2人をセットで描いたり、それぞれを描いた絵が1セットになっていたりするのですが、この絵は寒山のみの作品のため「寒山図」と言います。
この2つの公開時期ですが、毎年夏から秋にかけての7月~10月の特別展で公開されることが多いようです。
公開時期をチェックしたい方は、以下のサンリツ服部美術館の公式ウェブサイトをご確認ください。
⇒サンリツ服部美術館公式・白楽茶碗 銘 不二山のページへ
⇒サンリツ服部美術館公式・寒山図(可翁筆)のページへ
まとめ:休日は、県内に散らばる8つの国宝を見に行こう!
長野県内には、8個(+2個)の国宝があります。


全国に約1,100個あるうちの10個なんて少ねえなあ…長野県大したことない?
とか思ってたんですが、東京都と奈良県と京都府で750点持っているそうなので、10個というのはけっこう多い(TOP10に入る)そうです。
しかも、1つ1つが国宝界ではけっこう重要なウェイトを占めているものばかり。
国宝は県内各地に散らばっているので1日で回るのは難しいですが、休日を利用して1~2個ずつ巡ってみてはいかがでしょうか。
このブログでは、国宝のほかにも県内各地の様々な観光地を取材して紹介しています。
以下の記事もぜひ参考に長野県を楽しんでください。




